陽光

うす桃色の花に差す、ソバカスに似た斑点を恥ずかしがるように、朝陽を浴びた白露錦はくろにしきが緩やかにその身を揺らす。

こぼれる陽を受けようと、丸く大きく、どこかユーモラスなアリウムミレニアムが背伸びをしているその横で、エンジェルヘアーの細い葉がふんわり膨らんだ。

『天使の髪』の周りでは、南からの陽光を待ち望む、カンパニュラ・アルペンブルーの蒼い絨毯が、朝露に濡れたまま、少しばかり震えている様子だ。


リクライニングに身をまかせ、葉先の白い芝生に目をやると、今年二度目のつくしが芽を出していた。


目蓋を照らす春の陽が暖かい。


秋に見頃の、ふわふわ長めの花穂が美しいカラマグロスティスの隣に、アスチルベでも植えようか、赤かな、黄色かな……


そんなことを考えているうちに、

何時の間にやらまた、眠ってしまったようだ。

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