第2章 投稿開始

060 2021年4月12日の所信表明

 これまでに二度あった世界大戦はもう、どう擁護してもしきれないほどのひどいものでした。それを面白おかしくとか、茶化したりとか畏れ多くてできません。二度とも人と人同士が真剣に憎しみ合って、それに疲れ、一方的に叩きのめし尽くした後にやっと終わりました。

 本当に世界中で非道な行いがなされました。反省は負けた側にのみ強要し、勝った側も窮鼠に噛まれて手痛い思いをして。誰も勝者のいない争いでした。


 そんな時代に生み落とされた他者を死に至らしめる兵器たち。銃器に戦車、戦闘艦や戦闘機、ABC兵器に様々な技術。

 褒められたものではありません。遠路はるばる訪れた異星人に、何に使う道具なのかと問われて下を向くしかない人類の恥部です。


 そんな兵器達が立ち並ぶ博物館を訪れて感じたこと。

 明らかに相手を懲らしめてやろうと精を込めた工業製品です。しかしそこには使う人を守ろうとする技術者や整備士の思いが込められていて、家族を守るために立ち上がった人達の願いも同時にそこにはあって。

 確かに相手を殺傷しようとはしていました。しかし同時に銃後を守ろうともしていて。そのいくつかは70年以上もの時間を経て、しっかりと朽ちていました。


 だからでしょうか。山や川、動物に植物、芸術作品、他の工業製品などと等しく、戦後76年の今になっても人々を惹きつけて止みません。

 私も惹きつけられた中のひとりです。戦争は大嫌いですが戦車や戦闘機は比較的好きです。取り巻く急場を凌いだ技術や思考、運用に当たった裏方の人達の努力、守るために立ち向かった人々の生き様など。感銘を受けます。かくあれかしとまでは言いませんが、人生を送る上で羅針盤にしています。


 そんな表立って褒められはしない兵器群。これをスポーツとして見事に昇華して見せたのがガルパンでした。

 それが存在する以前は戦車や戦闘機が好きな人間は日陰者でしたが、あの作品によって市民権を得たように思います。言い過ぎに聞こえましょうか? 私は真剣です。

 極論包丁だって灰皿だって人を殺しうるのです。少し前までは頻繁に兵器としてドラマで使われていましたよね。それらを正しく使ったなら、包丁は料理を手早くきれいに、灰皿はタバコの灰を安全に受け止めます。


 なれば兵器の正しい使い道とは?

 兵器は他者を仇なすためだけに役割を持たされた、言わば忌まわしき存在です。それをどうしたら正しい使い道になるのか。それを私なりに考えた結果、どうしてかまた物語になりました。

 処女作と同じですね。歴史は陰の部分だけではない、陽の部分を伝えたいと思い考え抜いたら物語になった、あの作品と同じです。


 今回は兵器の陽の側面を綴る……ことまではできません。あれはどこまで行っても他者を殺すための存在です。そこで数少ない残された人々のために、人々を護る鉾となって障害を打ち砕く。そんな存在にしました。どこまで行っても兵器は兵器。それを取り巻く陽の人間模様を描きます。

 すでにこの方面にも先輩方が多数居られ、私は後発です。ガルパンも偉大な先駆者のひとつ。その中で拙作が輝けますでしょうか。今回はそれを見届けてください。


 私はこの作品で兵器を救って見せます。それはきっと誰もが成しえていない行為。あのガルパンでさえ戦車だけでした。私は陸海空その他の戦力をも救いましょう。もしこう使われていたなら、あれらは人類の徒花などではなく、救世主と呼ばれたに違いないのですから。

 大仰に聞こえましょうか。私はまだ正気のつもりです。




 小説家になろうさん以外でこれをお読みの方は、お手数となりますがぜひなろうさんにお越しくださいませ。そして新作の第1話をお読みください。

 今回の第1話は前作とは違います。反省を活かし、そこには最終話にも等しい力を込めました。冒頭では、まだろくに何もできない少女達が知恵を凝らして危機を切り抜けます。その後成長するとまたすごいですから。ぜひ見届けてやってください。

 真面目な話はこれくらいにします。明るく楽しく参りましょう。12歳と15歳、17歳の青春を戦いに投じた、乙女達をどうぞ見守ってくださいませっ!




 2021年4月12日第1話完成、オレゴンの自宅にて。 おれごん未来

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