第3話 リン

「スミマセン、俺とお二人の常識がちょっと違うみたいです、なので先ず俺の常識を教えたいと思います。

俺の常識だと仙人は百万人に一人居たら凄いと言うレベルで、


勇者に関しては魔王が現れた時にのみ一人の人が成れる伝説の職業なんです」


俺がそう伝えると [何言ってんだコイツ..........病院に連れて行った方が良いな、うん] 見たいな顔をして来た、勇者達以外にされると結構キツイな


「何言ってるんだお前は、勇者のスキル何て普通のスキルだろ」


「いやいやいや」


「「いやいやいや!」」



二人で否定されても何も変わりませんよ



「じゃあお二人のスキルは何ですか?」


「ミーは超聖魔法使いです」


「たくちゃんがマジシャンよ」



だからマジシャンって何!........そう言えば勇者のリクも偶に変な事を言ってたな、magicienとかpardon,zut,ailleマジで何だったんだあれ?


て言うか、超聖魔法使いって、王都最強の魔法使いと疑われたエミリーのスキルの上位版ってこと?


って事は大きな街を簡単に破壊出来るスキルじゃん、怖いんですけど


「......凄いですね、因みにこの村の人にとってはそのスキルはどの位凄いんですか?」


「凄い何て、普通よ、強いて言えばたくちゃんのマジシャンは結構凄い部類ね」


ちょい待って、大聖魔法使いが普通な村って........


て言うかマジシャンって何なの!麻雀が上手い人!?.......な訳ねーな


「その [マジシャン] ってなんですか?」


「んー、教え辛いけど、物を消したり何も無い所から出したり、人の頭の中を読んだりするとか」


ふむふむ


「それ位誰でもできるわよ、貴方のトランプで何かやってみたら」


「トランプって、ババ抜き用のやつですよね?」


どうすればそんな職業が大聖魔法使いの職業より強いと言われるんだ?


そもそも普通の人は物を消したり、何も無い所から出したり、人の頭の中を読んだりしないのだが.......


そう思っていると彼はトランプの中からババ一枚と赤色の姫2枚、黒色の姫2枚で、

計姫を4枚とババを一枚出した


「じゃあ、黒か赤のペアどっちが良い?」


「うーん、じゃあ赤」


「分かった、じゃあババを赤い姫の間に表向きに挟むよ」


彼はそう言ってババを赤い姫の間に挟んでカードの束の上に置いて混ぜ始めた


何が始まるの?急すぎてちょっと分からないんだけど


「はい、混ぜてこの束を半分位に割るよ、丁度いいね、じゃあこの黒いペアはこの束の上に置くよ」


そう言いながら彼は黒い2枚の姫のカードを一つの束の上に置いた、


何をしたいの?今の所凄いところ皆無なんだけど


「じゃあこの2枚の黒い姫をひっくり返して指を鳴らすと」


彼は言った通り手を動かして指を鳴らした


「はい、さっきババはどこに入れたか覚えている?」


「赤い姫の間ですけど」


この人物忘れが激しいのかな?


「そうだね、でもほら、今は黒い姫の間だよ」


「えっ!!」


どうなってるんだ、彼がひっくり返した黒いカードの間にはさっきのババが挟まってた........


「でも、このババは長い間ここに入れられないんだよ、ほら、ひっくり返して手をかざすと」


「あっ、消えた」


「そう、でもほら、この束を広げると」


「おお、ババが赤い姫の間に戻って来てる、す、凄いですねマジシャン」


凄いわ............あれっ、戦闘力皆無じゃね?


「たっくん、それ祭りでやってた奴じゃん!マジシャンの凄さが全く伝わって無いよ!」


「あっ......まあ、今度見せるよ」


「いいぇ、普通に面白かったです、もしかしてあの犬の丸焼きもマジシャンのスキルだったんですか?」


するとまた変な目をされた、さっきから多いな


「何にそれ、怖いな、ミー知ってる?」


「嫌、もしかしてこの前のキングドラゴンの子供?」


「そうかな、全員檻の中に入れたと思ってたけどなー」


俺の目の前の二人がチート級の魔物キングドラゴンを虫と同レベルに扱っているのは触れないでおこう、


いちいち突っ込んでたらきりが無い。


「俺が森の中で倒れていた時、目の前に現れてアソコをぶっ叩いた物ですよ、俺は何もして無いのに」


「嫌、したよ、普通に噛み付いて来てたよ!」


「そうか、よく覚えて無いもんな」


「マジで怖かったからね」


「........ちょい待って、今喋ったの誰?幽霊?」


さっきから誰かと会話してるけど、たくさんでもミーさんでも無いし...........アンデット?幽霊?


「あらっ、帰って来てたのリンちゃん」


「リンちゃん?」


そこでようやく俺と喋っていた人の顔が見えた見えた、真っ白な色の毛を持っている小さな犬族の女の子だ、


大体12歳ぐらいかな?名前はリンみたいだ


「ねえ、今何か変な事考えてた?わ、私こう見えても24歳だもん」


「痛っ、えっ、マジ」

 

彼がホッペをひねって来た、24歳なのはマジみたいだ、だってクソ痛いんだもん


「リンちゃん、やめろ、お前に飛びついたかもしれないけどそれでも我慢しろ」


「ゴメンな、リンちゃんだっけ」


俺が謝罪すると彼女は慌てた感じでこう言ってきた


「り、リンちゃんって、き、気安く名前で呼ぶんじゃねー!」


そう言い残して彼女は部屋を出ていった、大丈夫かな?顔が赤かったけど


「スマナイ、何時もはこうじゃ無いんだけどなあ、どうしたのやら」


「いや、元気で良いじゃないですか、でも今度あったら俺をここに連れてきた事のお礼

を言わないと」


「ふっ、あの子も隅に置けないわね .......」


ミーさんが変な事を呟いてるけど良いか、どうせまた俺の理解を超えた事だろうし。


さっき言えなかったけど、よく考えればアイツは俺の命の恩人何だよな、凄いなあの年で...........あっ、24歳か


「そうだな、正直昨日アイツがお前さんを引きずってきた時はビックリしたよ」


「やっぱり人間は珍しいんですか?」


「それもあるけど、何時も自分に関係ない事に無気力なアイツが人助けしたこともビックリなんだよ、村長なんて[こ、この世の終わりだ] って言ってたぞ」


「へー」


どんな子なのあの子、ツンデレなの?


て言うか反応から見て人間も来る時があるんだ


「村長と言えば、起きたら村長に会いに行けて言ってたぞ」


「あっ、そうなんですか?」


ヤベッ、村から出て行けとか言われないよな、そんな事言われたらのたれ死ぬからな俺


「あっ、凄く優しい人だから安心してもいいと思うよ」


顔に出ていたのか図星を付かれた


「はは....」


大丈夫かなー........





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