第102話 西へ向かう列車

「荷物はこれでいいわ」「そうですね有栖お姉さま」

二人の姉妹は微笑む 憧れの欧州への旅への一歩


「キャラメルがあるの手毬さん ううふ」「頂きますね」

この頃にはもう発売されていたキャラメルに嬉しそう


「御父様は博多と長崎に仕事用の屋敷を購入するのですって

仕事とはいえ、客人も招くらしいから大きなものかも」

「長崎に行くにも便利だから‥」有栖ありす


「そうなのですか?」手毬てまり「ええ、京矢さんと共同で‥」有栖

「急に決まったわ だから御父様は私達と一緒に西へ向かうのよ

私達は神戸の港で欧州行きの船の予定」




・・・関東大震災の後で

資産の一部移動に

東京以外に居住場所を得る事は後に大きな助けになる事になる


「上海のお友達が仕事で米国へ行くらしいけど 残念ね会いたかったわ

鹿鳴館で留学生として勉学されていたご令嬢の話も聞いたけれど

米国にも行ってみたいものだわ」有栖


続けて楽しそうに有栖が言う

「サンウランシスコなど公園は広くて素敵で、遊園地があって乗り物があるそう

それに冬の時期にはスケートとか‥」


「世界中へ旅するのですか?有栖お姉さまは語学が得意ですもの」手毬が微笑む



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る