第92話 有栖と手毬と洋食コロッケにカツレツに‥シュニッツェル

留学は準備を整えて長期の予定である 飛行船などもあるけれども

それは早々簡単に乗れるものではなく、大型客船などの船が一般的 


となると東南アジアや上海、マカオ 香港などの近場なら短く数週間前後

亜米利加も遠い 更には欧州やなどは半年から数か月以上の移動時間もかかる

寄港地に寄って ジェローム達のように滞在が長ければもっとだった


有栖ありす手毬てまり

学校での学生生活にそれぞれ正式な婚約に向けても動いていた。


「京矢さんは大学も無事卒業、店の仕事もあったから大変だったみたいね」有栖

「そうですわね店を長く離れる事になります でも、新たな仕入れに顧客も」手毬


「そういえば子爵様に料理本を頂きました 

洋食のオーストリアのカツレツ(シュニッツェル)、フランス風のクロケット(クリーム風のコロッケ)とか‥カレーですわ」


「ぜひ作って 全部食べたいわ」有栖

しばしの沈黙 しばしのち 思いつめたように手毬の手を取って有栖が言う

「今日は銀座でビフテキやコロッケもいいわ 食べに行きたいわ」

思いつめたような有栖


「あ、あの‥」毎度の事であるが食欲魔人の有栖は健在


「そういえばジェローム様達はどうしてるのかしらね」

「しばらく手紙が来ませんね」有栖の問いに手毬が言葉を返した


「牛の煮込み(すき焼き)に天ぷらも気に入っておられたわ」有栖

「…今度作りますね」手毬

「ええ、当然ね よろしくね手毬さん 私の愛しい妹の手毬さん うふふっ」



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