第83話 驚愕と喜びの涙が零れ落ちて‥有栖

「火事で幼い頃 双子の妹と生き別れたの」有栖(ありす) 彼女の震える声 

「死んだと思っていた 以前 聞いたわ 私の妹の背中に 私と同じ痣があると」


怪我の傷が軽くとも壊疽などが原因で・・という事態がある

怪我が心配なので 手当する手は休めずに聞いているナジム

それからジェローム


「私の妹・・私の・・・」涙がこぼれ落ちる有栖


「生きていた 私の家族 血のつながった家族なのね 良かった ううっ」

「私は・・亡くなった叔母の兄の子供なのです だから父とは血がつながってない

血のつながった ただ一人の家族」有栖が絞り出すように呟いた


「良かったね 有栖ちゃん 手毬ちゃん」優しく抱きしめて背中を撫でるジェローム



「手毬さん 私の妹」涙はまだ止まりそうもない

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