第67話 あんみつと少女達

お洒落な ステンドグラスを多く使った洋風の店で

一角の小さな個室で

有栖(ありす)に手毬は 京矢に子爵と四人での会話を楽しんでいた。


「ああ、あんみつが美味しい、この黒蜜にサクランボに御蜜柑」有栖

それは嬉しそうにスプーンですくっては 赤い唇の中へと・・


「はい、甘くてまろやかな味です」ごくり、手毬 本当に手毬も嬉しそうだった。


「白団子に白い四角の寒天、粒あんもいいわ」

しみじみと頬をほんのり赤く染めて有栖の一言

「・・ふふ、お姫様たちはご満足で良かった」京矢 「そうですね くすっ」子爵


「あら、そうかしら」有栖「僕も味を楽しんでいるよ」京矢


「また、ジェローム様たちに仏蘭西(ふらんす)に欧州のお話をお聞きしたいわ」

「ええ、そうですわね」有栖と手毬


「僕もそうだね」微笑む京矢

「ええ、私も・・私の叔母さまも欧州の話には興味があるから」

こちらも同じく笑みを浮かべている子爵


「ジェロームさんから聞いた 航路の途中での東南アジア方面の話も面白そうだね」

コーヒーの香りを楽しみながら 京矢が言う。


「ええ、本当よね」有栖 「はい」手毬


「・・・」微笑んで頷く子爵





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