第57話 温泉での会話

当然ながら女性と男性は 

それぞれ分かれての温泉であった 


ほんわか湯煙りの中で 心地よい温泉の湯に浸かっている。

「とても気持ちがいいわ」有栖(ありす)「はい、そうですね」手毬(てまり)


手毬(てまり)は 白い肌、胸にある有栖(ありす)の紅色を帯びた蝶の痣が

気になっている。

煽情的で、見た目はそれがチャームポイントにも思えるが

有栖が痣を気にしているかも知れないと思い、手毬は黙っている事にした。


手毬・・姉妹の証でもある蝶の痣

手毬にも実は同じ痣があるらしいのだが 背中なので見た事がない


しかも今回の温泉では

有栖の方は生憎、気がついてはいない。


「温泉卵が美味しいわ」有栖「ええ」手毬

「牛乳も美味しい」

お盆の上に乗せて 何故か、飲み物や食べ物が温泉の湯にプカプカと浮いていた 



すぐ傍 隣の温泉では 二人の少女のはしゃぐ声にドギマギする男性陣

京矢と子爵 


綾小路子爵も 京矢も気になってはいるが 黙っている。

「いい湯ですね」「ええ」


ギクシャクした会話


「あの 温泉卵ですが・・」「ああ、食べますよ 有難う」


「おお、有栖さんの声 温泉は混浴ではないのですね 裸の白い肌が隣の温泉で」

フランス語で呟き、や~らしい顔をしてジェロームが言う


「そうですね ジェローム様 随分といやらしい笑顔です うふ」

ナジムことナッシュ


「ナジム  お前ね‥私を主人というのを忘れてないか?」「ああ、そうでしたね」

「残念でしたね 日本の場合は 欧州と違い、温泉が水着じゃなくて」

ナジムの嫌味である


「欧州は・・?」

「はい、欧州は湯治というのが日本同様にありまして水着を着用です」

にこやかな笑みのナジム



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