第48話 貴婦人の独り言と合間のお茶とお菓子

「若い人達は いいわね」苦笑する貴婦人、梶野伯爵夫人


綾小路子爵の叔母 

彼女は 京矢の店の使用人の手毬(てまり)に

甥、綾小路子爵の気持ちが寄り添ってゆくのが心配であった。


「でも、どうして使用人の手毬さんが混ざってるというのは倫理的にどうかしら?」

「有栖(ありす)さんが とても贔屓にするから・・つけ上がるのでは?

有栖さん どうする気なの?」独り言を呟く。

まだ彼女、綾小路子爵の叔母は 有栖(ありす)が食いしん坊で

胃袋で 手毬に夢中という事実を知らない・・・


胃袋で始まった女の友情かも

幸せな食欲魔人な伯爵令嬢と 気弱で愛らしい料理上手


はぐはぐと手毬が作ったものを食べる有栖

幸せそうであった。


いつの間にか男性陣四人の試合になっていたので・・少女二人 

有栖と手毬、少女二人は見物しながらはお茶にお菓子を食べていた

当然のようにお世話事をしている手毬(てまり)


「あ、お茶がありますよ」手毬(てまり)「まあ 有難う」有栖(ありす)

手毬がコポコポとお茶を入れる


「今度 料理とお菓子のレシピを教わりましたから

作りますね」


「ええ、本当有難う 手毬さん」

そんな感じのいつもご満悦な お嬢様な伯爵令嬢の有栖であった


試合を終えて ようやく皆がやって来た


「うふふ、いらしゃいませ」有栖

「あ・・あの お久しぶりです」内気な手毬は 時々、上手く話せずにいるようだ。


「テニスは 楽しかった いい試合だったよ」綾小路子爵



「二人達とも とてもテニスは良かったです

とても楽しかったですね 有栖さんは上級者で手慣れている

手毬さんは 初めてでしたが 飲み込みが早くて 運動神経も悪くない」

ジェロームが笑う。


「皆さま 手毬さんの作った料理ですのよ

食べませんか?」有栖(ありす)


「まあ 美味しい」 「うん とても美味しいよ」「美味です」



「エクセレント!」「素晴らしいで 手毬さん!」美味しいものは人を幸せにする

皆 本当に嬉しそう



「あ・・有難うございます

お弁当を作っていました それにお菓子も・・」

赤くなり視線をそらしながら・・手毬


「お食事もスイーツの洋菓子も和菓子も上手なのよね!うふふ」



「特に このイモ煮ころがし最高

昔 母や義母(叔母)が作った味と同じ」懐かしそうに思う有栖


「・・・本当に美味しいわ」満面の笑みの有栖

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る