第20話 つ、次で終わります。終わらせたいです。

「いかなきゃだよね~……」


 全然修理が進まない……


「うぁ!? なに?」


 いきなり音が鳴る。

 これは、死体発見の音。


「あ、今もできるんだね?」


 亡くなったのは……辛子風味さん。


ひ「見つけたのは……」

河「あ、あの!」

ワ「ん、あ、河多さんなのです?」

龍「インポスターはかわちゃんだよー!」


 河多さんがインポスター……?

 あれ、でも報告したのは河多さんで……


河「ち、違います! 龍姫さん、ですっ!」

だ「お互いに逆のことを言ってますね……」

ワ「とりあえず、河多さんは、どこで見つけたのです?」


 進行役をしていた辛子風味さんが抜けてしまったため、ワヲンさんが仕切っている。

 慣れてきたら、私にもできるかな?

 いつかやることになっちゃうかも?


河「えっと……な、ナビゲーションの、通路です」

龍「私も見つけたよー!」

ワ「二人は一緒にいたのです?」

河「い、いえ……」

龍「ウチがシールドから上がって行ったら、ちょうどかわちゃんが下りてきて……」

河「っ!? ぎゃ、逆です! わ、私がシールドから……」


 え、私のいたウェポンのすぐ下じゃない?

 そんな近くで……


ワ「……他の方は最終位置どこです?」

ひ「私はストレージからリアクターに向かうところでした!」


 先に他の人のことを聞く方に変更したみたい。

 二人とも平行線だからかな?


だ「私はエレクトリカルにいました」

「私はウェポン!」

ワ「みかんさんが、ウェポン……誰かとすれ違ってたりしたのです?」

「してな~い」


 どっちなんだろ?

 犯人が上からだったら、先に私が殺されたりしたのかな?

 でも、私からは大した情報は得られない、残念。


ワ「二人から話を聞くしかないのです……」

龍「あー、でも、100%かわちゃんかは、わからないなー」

ワ「どういうことなのです?」

龍「ほら、かわちゃんって、初心者だから、焦って報告ボタンを押すのが遅くなっちゃったのかなーって」

河「ち、ちがいます! た、龍姫さんが通ってきたところに、死体がありました!」


 んー?

 どっちが嘘言ってるんだろ?

 確かに、私も練習の時に報告ができるのに、気づかなかったときもあった。

 でも、そこまで押すのが遅くなるかな?


ひ「あの! 時間、あんまりないですよ!」


 あと15秒。


龍「一旦、スキップにして、もう一回ボタン押す?」

だ「あまり情報もそろってないですしね……」

「両方追放じゃダメかな?」

ワ「確かに……でも」

だ「確かに……確実に1人は追放できますね」

「私、先、龍姫さんにいれます!」

龍「えー、ちょっとー?」

河「つ、次、私追放して、大丈夫です!」

だ「それなら」

ひ「りょ……」


 投票が終了する。

 龍姫さんに4票、河多さんに1票。

 今回のモードは誰が誰に投票したのかわからない。

 河多さんに投票したのは、龍姫さんかな?

 投票していない一人は、間に合わなかったのか、インポスターだからか……


 龍姫さんが追放される。

 追放された人がインポスターかクルーメイトかはわからない。

 一応、わかる設定もあるらしいけど。


 緊急会議のクールタイムの15秒を明け、河多さんがボタンを押してくれた。


ワ「あの、投票を終える前に、今、タスクがどれくらい進んでいるか、確認しておきたいのです」

「ん-、あと、2つ?」


 確か。


ひ「あと1つです!」

だ「私もあと1つです」

河「あ、わ、私は3つです、すみません……」

ひ「河多ちゃん、がんばって!」

河「あ、ありがとうございます……!」


 私とおんなじで慣れてないみたいだし、難しいのに当たったら時間もかかっちゃうよね~。

 あれ、じゃあ、ほんとにクルーメイトなのかな?

 インポスターなら、わざわざ言わなくても……でも、追放はしないとだよね。


ワ「私も、あと1つだから終わったら誰かと合流するのです。左側にタスク残ってる人いるのです?」

ひ「私! リアクターにあります!」

ワ「じゃあ、一緒に行くのです」

だ「そろそろ時間ですね」

「じゃあ、投票、っと!」


 河多さん以外、4票が河多さんに入った。



φφφ


死体部屋Side



龍「いやーうまく誘導できなかったー!」

エ「エミも騙されそうだったよぉ? 龍姫ちゃんだったんだぁ?」

辛「なんで私殺したの?」

龍「え、んー。仕切っててうざかったから……?」

辛「え……」

エ「龍姫ちゃん、ひどぉい!」

龍「んー? ……あっ! ち、違うよ!? インポスターとしてね!」

辛「焦らなくても、別に気にしてませんから」

龍「残ってるの初心者が多いの方が楽かなって思ったんだけどー、タイミングミスったー!」

エ「ガチだぁ?」

龍「もちろんガチー!」

河「お、おじゃましまーす……」

龍「お、きたきたー、おつかれー!」

河「た、龍姫さん……ひどいです……」

龍「勉強だよー!」

河「みかんさんがいなかったら……」

辛「はっきり決断できるのは、大切ですよね」

龍「なんとか二人一組で監視にできないかなーって思ったんだけどねー。みかんちゃんに強引に壊されちゃったー」

河「あ、あの……もう一人って?」

辛「私も気になっていました。エミさんも龍姫さんに?」

エ「ちがうよぉ?」

辛「では……」

龍「あー、もう一人は――」

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