第14話 二度目の配信はイラスト描くよ

「みんなおはよ、Vtuber兼イラストレーターしてる、黄金みかんだよ! 来てくれてありがとね!」


 次の日、早速2回目の配信を始めた。

『もしかして、時間不定期?』

『おはようございます』

『おはようございます!』

『あさから元気すぎる』


 やっぱり朝でも起きてる人はいるもんね。

 結構早い時間だけど来てくれて嬉しい。


「今日は始まったばっかりだし、たくさん配信するよ!」


『ハイペースだな』

『そのうち頻度下がって月一とかになりそう』

『初配信、昨日というか数時間前なんですが』

『おはよう……』

『朝から通知来てびっくりした』

『予告……予告して……』


「あ、Twitterに配信開始って呟かないとだね!」


 配信してます、と。

 これでよし。


「今日は、初配信で言ってた、イラスト描くね」


『朝から……? 平日だし最後まで見れん……』

『ニートなのでずっと見ます』

『イラストって朝から描けるもんなの?』

『朝からお疲れ様です! 体調崩さないように頑張ってくださいね?』

『中身若いだろ……』

『寝ぼけて輪郭崩れたりしない? 大丈夫?』


「私は時間関係なくイラスト描けるから大丈夫だよ!」


 体調心配してくれてる……!

 ちょっと嬉しい。

 ちょろいんってこんな感じかも?


 私は絵を描き始めると、区切りがつくまで描き続けるので、時間がどれくらいかかるとかは気にならない。

 書き始めれば、大丈夫。


「でね? 私がイラストレーターってこと知らない人もいるかなって思うんだよね」


『いない』

『昨日の初配信から入ってきた人なら、まあ……知らない人も……?』

『結構主張激しかったぞ!』

『えぇ!? イラストレーターだったんですか!? ……すみません、ネタです』

『イラストレーターなのは知ってる』

『オリヒメのサクヤちゃんが好きです!』

『V始めたばっかで見てるやつはたいてい知ってる』


「そんなわけで、これ! 見て!」


 昨日の配信が終わってから、描いていたイラスト。

 焼き芋する女の子達。

 何を描こうって考えてたら、思いついちゃったので、焼き芋の理由はあんまりない。

 食べたいのかな、私?


『うおおおお!!!』

『まじで!』

『前から準備してただろ』

『朝から焼き芋ってどうなの』

『3人とも可愛すぎる』

『ちょっと朝ごはん食べてきます』

『焼き芋がおいしそう』

『周りの道具的に、落ち葉掃除あと焼き芋って流れか。よきよき』

『中学の時に学校でやったな……こんなかわいい子いなかったけど』

『誰? オリキャラ?』

『眼鏡曇ってるやん』

『舌出してる子かわいいですね! 私も焼き芋でやけどした経験が……』

『おはようございます! かわいい絵ですね!』

『これなに? どっかに出すの?』

『焼き芋か……やる機会ないよな』

『落ち葉でやった時の興奮は異常』

『いつの間に描いたんだ……?』

『朝から焼き芋はのどに詰まるだろ』

『秋ですな……』

『名前ある? 推しにしたい』


「一応、これがイラストレーターの証明ってことで! Twitterだとちょっとアレだけど、一応あげておくね?」


 パパパっと。

 リツイートしてねー。


「じゃあ、早速描こうかな? 何描こうかな?」


『題材決まってないの?』

『百合描いて!』

『露出狂女教師』

『猫ってかけます?』

『冬の厚着の女の子描いてほしいです!』

『ジト目』

『触手に襲われてるの』

『人間以外も見てみたいです!』

『ケモミミ』

『スク水! プールから出た直後がいいです!』

『ぽっちゃりのギャルがいいです』

『褐色の部族の女とか』

『ウマ娘の会長描いて』

『獣人かいて』

『アルビノみたいな白い子がみたい』

『スライム娘がいい』

『目がハートの委員長キャラ』

『なんでもいい』

『寝起きの女の子』


「んー、難しいなぁ……」


 聞いたはいいけど、全員の希望をかなえられない。

 これからは、あんまり聞かない方がいいかな?

 もしくはTwitterで訊いた方がいいかも。


「いろんな子描きたいもんね! あ、猫ちゃんはいいね。猫ちゃんって言うと……魔女っ娘ちゃんと、黒猫ね! 決定! じゃあ、描いてこ~」


 勝手に決めちゃう。

 そして、なんとなく構図を頭の中で考える。

 私、三角の帽子はおっきいのが好きなんだよね。

 というか、大きい装飾品が最近の私的トレンドというか。


 今回はちっちゃい子にしよっかな。

 そっちの方が対比になるし。

 装飾のすごい本とかも持たせたいよね。


 猫ちゃんの方は、やっぱり黒猫かな?

 オッドアイもいいけど……そっちはまたにしようかな。

 ねこまたにしてもいいかも。

 

「んー、よし。こんな感じで描いていきますね!」


 簡単に場所を決めて、目印をつける。

 あとは、描くだけ。


「目から、描きますね!」


 たぶん、そっちの方がいいはず。

 輪郭から描いてもいいんだけど、多分目からの方が人を描いてるって分かりやすいはず。

 小さい子だと……最近魔女になったとか、若返ったとかかな。

 今回は最近なった方にしようかな。

 じゃあ、目はキラキラした感じで……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る