カップルが出来るまで

農場の夫

『二人一組を作ってください』

「「「「「「え」」」」」」

 

「何? ここどこ?」


「さ、さあ?(この人らだれえ?)」


(めっちゃ真っ白やん。ウケる〜。チョベリバ〜)


「ガタガタガタガタガタ(ふえ〜誰ですかこの人たち〜! 怖い! 助けて!)」 

 

「こんな時は焦らず筋トレだ! ふん! ふん!」


(ふむ。普通より僅かに不細工気味なOL。鋭利な髪

の毛を持った男。見た目からして高校生か。ガング

ロギャル。なんだあれ、暗すぎるだろ。背景が真っ

白なせいで目がチカチカする。さっきから地響きが

するほど歯を鳴らしている子供。落ち着け。筋肉バ

カ。熱気が溜まってきた。どこかに換気扇はないか)


「あ、君◯◯高校だよね? 俺だよ。同じクラ

スの」


「ガタガタガタガタガタ(えーと……あっ思い出し

た! いつも髪の毛飛ばしてる人だ!)」


「そうだよ! いやー知り合いにいてよかったわ

ー」


「君! いい色の身体だね! 筋トレしない?!」


「は? あんた誰や。てか、セクハラやかんな今

の!」


「まあまあ。とりあえず落ち着きましょう。はいど

うぞこれ。アメちゃんです」

 

「お、あざまる水産!」


「皆さんいい加減にしてください。二人組はどうす

るんですか。それしかこの部屋から出る手掛かりは

ないんですよ。呑気に飛沫を投げ合っている暇はな

いでしょう。それともなんですか、ここで静かに一

生を終えたいとか言い出すつもりですか。いい加減

にしてください。二人組は」


「ストーップ! わかりました、わかりましたか

ら! 二人組、作りましょ! メガネさんはどう

ぞ、アメちゃんです」


「ど、どうも」


「さあどうしますか?」


「……」


「な、なあ組まね? 高校、同じだし」


「ガタガタガタガタガタ(あ、はい。僕でよければ……)」


「…………」


「えと、どうする……?」


「どう、するかい?」


「………………」


「じゃ、じゃあ私メガネさんと……」


「うひっ……」


「……………………」


「じゃあボクは原石くんと……」


「誰が原石やねん……」


「…………………………」


「二人組、作りましたね……。次はどうすれば」


『全員が二人組になるまで約10分かかりました。お仕置きとして、あなた方をミンチにします』


「「「「「「え」」」」」」


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