第2話 【空想を物にする日】
「えぇ...本当に開いちゃったよ...」
「いやぁ~実は薄々『ハッピーバースデイ』がこの箱の鍵じゃないかと思ってたんだよねぇ~」
『ロックします』
ゼロは過去最大級のドヤ顔でこちらを見ていた。
「んなわけないだろ!絶対適当だろ!てか何で『ハッピーバースデイ』があんな重要そうな箱のパスワードなんだよ!」
『ロックを解除します』
「てか『ハッピーバースデイ』なんて俺らが誕生日の日を忘れていたら、永遠に開かなかったってこと?」
『ロックします』
「「うるせぇぇぇぇぇぇーーーー!!!」」
俺とゼロは同時に箱を殴っていた。どうやらこの箱は『ハッピーバースデイ』と言うたびにロックのON,OFFが切り替わるらしい。
「おいレイ!中身が割れ物とかだったらどうするんだよ」
「え?お前も殴ったよね?君殴った張本人だよね?ん?」
「ん?どうしたんだ?面白い物でも入ってたか?」
箱の中の物を取り出すと、赤い石と水色の石、その石と同じ形状で同じ大きさの小型の機械が二つ、鍵、1つのUSBメモリーそして、手の平より少し大きめの謎の機械が二つが入っていた。
「え?なんか多くね?」
ゼロがそう呟くのも無理はない。
箱の大きさに対して、入っている物の量が見合っていないのだ。
「この中で一番大きいこの機械.....なんだこれ?」
ゼロが手のひらより大きめの機械をいじっていると、機械からベルトの様なものが出てきて腕に固定されていた。
「え?え?なんか巻き付いたんだけどこれ....」
「おい、どんな物かも分かってないのにいじるなよ!」
「いや、違うんだよ!!腕に近づけたら勝手に巻き付いたんだよ!!」
そういうので半信半疑でもう一つの同じ機械を自分の腕に近づけてみると、機械からベルトの様なものが出てきて腕に固定されていた。
「わぁーお、本当に近づけるだけで巻き付いたよ.....待てよ...これどこかで見たこと...」
「てか、これ何の機械なんだ?何かを差し込む場所みたいなのが2つあるけど....あ!分かったぞ!」
俺が考え事をしていると、ゼロが何かを思いついたのか、赤と水色の石を差し込んでいた。そうすると機械に赤と水色のモヤが掛り、ゼロが苦しみだした。
「うあぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!」
俺は慌ててゼロに駆け寄った。
「おい!ゼロどうしたんだ!おい!大丈夫か!?」
「体...が...熱い...寒い....うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その後ゼロは意識を失った。
「おい!ゼロ!ゼロ!」
-----------------【ゼロ】----------------
「うっ...んん....いてっ!」
朝目を覚ますと俺は鎖で縛られていた。
「え?ナニコレ....」
「あ、起きたかアホゼロ」
「おいレイ!これ外せよ!」
「え?駄目に決まってんじゃん」
レイに鎖を外してくれと言ったが駄目と言われてしまった。
「全治1週間の怪我なので絶対安静だ」
「いやいや、患者を鎖でグルグル巻きにするなよ!」
「というか君、そもそも何でこうなったか分かってる?」
レイに言われてようやく思い出した。
「あの良く分からない機械に石を入れて...それで...」
「アームズデバイスな」
「え?」
「あの腕にくっついた機械の名前だよ」
どうやらレイは、俺が寝ていた5日の間に色々と調べたらしい。
「で、それって何なんだ?」
「まぁ、分かっているところまで説明すと...つまり....変身道具だ....かっこよくなれる!」
レイが目を輝かせながらそう答えた。
「は?」
「いや~まさか俺が子供の頃にずっと欲しがってた、変身道具が現実になるなんてぁ~」
話が全く頭に入ってこない...
「まず、箱に入っていた2つの赤と水色の石、これは『クリスタル』と呼ばれる生物などの魔力が籠った石らしい」
「ふむふむ」
「そして次に、同じ形状のこの小さな機械は『アーマード』と呼ばれる機械だ。でこの『クリスタル』と『アーマード』を『アームデバイス』に刺し込むことで変身できるらしい。で、『クリスタル』と『クリスタル』をデバイスに入れると、過剰に魔力が流し込まれて、ゼロみたいになるってわけ」
うーん一気に色々と情報が出てきてあまり理解できていない。
「まぁつまり、そのクリスタルを2つ刺しこんだせいでお前はそんな怪我をしてるって感じ、まぁ実際に見せた方が早いか...おい、外行くぞ」
そう言うとレイは窓を開けて俺が鎖で縛られたベットを丸ごと外に投げた。
「うぉぉぉぉぉぉぉいぃぃぃ!!!」
死ぬかと思った。
-----------------【レイ】----------------
「よしっ、いくぞーちゃんと見とけよー」
「先生ー!首にも鎖が巻き付いてるので、角度的に見えませーん!」
「そのくらい自分でなんとかしなさーい」
「無理に決まってんだろ!」
仕方無いので俺はゼロの鎖を外してやった。
「さて気を取り直して、、いくぞ」
俺は『アームデバイス』を腕に装着し、次にデバイスに『水色のクリスタル』と『アーマード』を入れた。
しかし特に何も起こらない。
「あれ?何もおきないぞ?それ使い方あってんのか?実は使い方分からいとか?」
ゼロが疑いの目でこちらを見ている。
「いや、実はな全ての準備が終わったら、掛け声をしなくちゃ変身できないらしい」
「へー、なんて言えばいいんだ?」
「えーと、たしか 『アーマード ON』だった気g、、」
俺が『アーマード ON』と言った瞬間、爆発した。
「レイィィィィィィィィィィ!!??」
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