まさかの結末 2
ー『実はアタシもなの』ー
(…………ん?)
実はアタシもなの……?
「……えっ!?」
私はガバッ!身を離し、ニコニコ笑っている雪ちゃんの顔をマジマジと見た。
「……え?実はアタシもなの、って……?」
「そのままの意味よ。アタシも恋愛感情で江奈の事が好きって事」
「えっ、なんで!?だって、あれ!?雪ちゃんって、男の人が好きなんだよね?」
「ええ」
「私、女だよ……?」
「そんなの知ってるわよ」
雪ちゃんが、クスッと微笑む。
余裕の雪ちゃんとは対照的に、パニックを起こしている私。
だってそうじゃない!?
雪ちゃんは男の人が好きなのに私の事が好きって。
しかも私と同じ恋愛感情で、って……。
「い、いいの……?」
おずおずと尋ねると、
「いいの、って。良いに決まってるじゃない。アタシをこんな気持ちにさせたんだから、ちゃんと責任取ってずーっと一緒にいなさいよ?」
と、プロポーズとも取れるセリフを雪ちゃんが言った。
しばらく開いた口が塞がらないくらい呆然としてしまったけど、幸せそうにニコニコしている雪ちゃんを見ていたら本当なんだ、と実感する。
そうしたら嬉しさがこみ上げて来て、
「はい!」
と私は大きくうなずいた。
あ、ヤバい、また泣きそう。
だってまさか両想いになれるだなんて思っていなかったから。
ごめんなさい、って、言われる覚悟でいたから……。
涙をグッと堪えて顔を上げると、雪ちゃんが両手を広げて笑っている。
それを見たら結局我慢出来なくて、私は泣きながら雪ちゃんにしがみついた。
「雪ちゃん、大好きだよ~~~!!」
「フフッ。アタシも大好きよ」
うえ~ん、と泣きじゃくる私を受け止めてくれる雪ちゃんの腕の中は、ハナちゃんとは違う安心感。
ドキドキもするし、幸せな気持ちにもなれる。
しばらく抱き合っていると、
「江奈」
名前を呼ばれ、顔を上げた。
雪ちゃんが涙を拭ってくれる。
私達は見つめ合い、唇を重ねた。
一方的じゃない、ちゃんと気持ちの通じあったキスは、なんて幸せなんだろう。
二人で笑い合った。
色々悩んだり、大変な事もあったけど、雪ちゃんを好きになって良かった。
「雪ちゃん、ずっと幸せにするからね」
そう告げると、今まで見た事のない最高の笑顔を雪ちゃんは見せてくれた。
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