転生は失敗?
タケル:えええぇ…
神:どうしましたか?
タケル:いえ、転生で!できれば異世界に行きたいですね。
だって異世界行きたいじゃん。転生ってことは冒険して、仲間集めてダンジョンへ。…とウキウキしているタケル。しかしタケルの思想は神からの言葉に打ち砕かれる。
神:じゃあ、人族以外で種族を選んでね。
タケル:へっ? 人族になったら駄目なの!
神:異世界の神の中で人族の神とだけは会えてないんだよねー。ていうか、そもそも会えないんだけれど。一応こっちの人族の神をしてんのが儂だから、あちらの人族の神とは会えないんだよ、ごめんね。
タケル:うーん
神:それじゃ、いくつか選んでね。その中から、異世界の神が決めるから!
タケル:じゃあ、エルフ、ゴブリン、ドワーフ、で。
神:随分とあっさり決めたね。了解、それじゃ君と共に贈らせてもらうね。
タケル:他に特典は?
神:えっ!えっと…
タケル:もしかして忘れてた?
神:忘れてない、忘れてない!ステータス内のスキルを入れられるようにしたから、今やって。ああ、スキルっていうのは個人が扱える能力のことね。ステータスって言えば、出てくるよ。
タケル:ステータス!
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個体名:タケル 種族:?
<スキル>
なし
<固有スキル>
なし
<称号>
転生者
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タケル:これって、入れたいものなら何でも良いんだよな?
神:十個までなら、何でも!想像すれば、いくつか出てくるから入れたいスキルを選べば入るよ。
タケル:なら、こうしようか。
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個体名:タケル 種族:?
<スキル>
・解体
・魔法創造
・大工
・硬質化
・鍛治
・吸収
<固有スキル>
・経験値獲得倍率上昇(Lv1/10)
・経験値指定譲渡
・ジョブ変更(全)
・悪食
<称号>
転生者
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タケル:これでどうよ。
神:………うん、良いんじゃないかな?
タケル:なに、その空き時間。何か言いたいことあるなら、言ってみろよ?
神:別に~?何もないよ~?(流石に十個は多かったかなぁ。でも言った当事者が否定したら、行けないもんね~)
タケル:なら良いんだ。あとで言わないきゃ良いなぁ…って思ってさ!
神:(ギクッ!)…それじゃあ、転生させるよー
タケル:よろしく頼む!さあて、どんな人生になるかなぁ。
タケルが白い魔法陣の上に向かっていくのを見ながら、神は選択の見誤ったことに失念していた。転生させるのは楽なのだが、異世界の神にその旨を伝えるのも簡単である。この神が気にしていることは異世界に転生させて異世界で問題が起きた際、対応をするのは異世界の神であり、もしも問題が起きた物が転生した、または送った物であった場合、こちらに火が回ってくるからであった。それでも本人が決めたことに何も言えなかったのは、この神がタケルが死んだ元凶である、という自覚があるからであろう。
仮にも神である以上、ルールや条件は神の思うがままであるのだが。今回の問題が神に原因があるため、なにも言えなかったのである。何より他の神よりも、体が霊体状態なので、何が出来るわけでもなかった。
神:じゃあ、行ってらっしゃい。
タケル:おお!さようならー。
こうして、タケルは異世界へ転生していった。その後、異世界の神によってゴブリンへの転生に決められたのであった。
「…?うぉぎゃー…(あれ…、転生した?やったー、何に転生したんだー、早く知りたいなー)」
「お黙り、タケル!さっさと兄弟と寝てなさい。」
「きゃ?(え?)」
そこに居たのは…緑の肌をしており、黒目をして、白っぽい髪を生やした小柄の女性が立っていた。…ゴブリンである。
進化拒否したい 青緑 @1998-hirahira
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