ヴァルキュリア
---テミス族 アンティオペ村 ローザ教会 クスコ視点---
(ああまぶしぃ...)
私はベッドに寝かされていて、私が目を開けると見慣れない梁の天井と石作の壁が見えました。申し訳程度の小窓から日光が入り込んできていて眩しいです。
「おはようございます。異世界人さん。」
誰でしょう。薄水色の髪の美人に話しかけられました。でもなんででしょうか、右耳がずっとキンキンしていて聞こえ辛いです、
「おはようございます。えっとあっ なんだろう。ごめんなさい右耳がキンキンするのですが......」
「あぁ。やっぱり壊れちゃってますか、耳。そりゃあ耳元で火薬が炸裂しましたからね。あとで誰かに回復魔法でも掛けてもらいましょうか。」
あっそうでした。思い出しました。私。突然異世界に飛ばされて、おじいさんに斬り殺されそうになって、イケメンに耳壊されたんでした。そういえば目の前のこの人もその時いましたね。
「私はミネルバです。シグルドリーヴァ騎兵部隊隊長という役職です。ミネルバとでも呼んでください。」
「えっと...よろしくおねがいします。」
―――「あなたの名前も教えてくれると嬉しいです。」
「あっそうでした!ごめんなさい。私は
「では、さっそくなんですが私達があなたを異世界から召喚した理由なんですが...」
「国を救ってほしいとかですか?」
―――――「えっあそうなんですが...なんで知ってるんですか」
うわぁ...来ましたよ。この異世界転生お馴染みの国救ってくださいシチュエーション。
私はスローライフ系が好きなんですよ。俺なんかやっちゃいました主人公とかにはなりたくないんですけど...
「いやぁなんか、そんな感じかなぁみたいな...」
「は、はぁ...」
ミネルバさん、すごい困惑してますね。申し訳ないことしました。
「それで呼び出したんですが、あのボケ老人のせいで戦闘になってしまって。
本当にごめんなさいね。」
「いや。私死にかけたんですがぁ。」
「それで実はクスコさんが寝ている時にこっそりフェルスター(テミス族首長)さんが鑑定魔法を使ってあなたのスキルについて調査したんですよ。」
「えっ勝手に覗き見られたんですか。」
「はい。勝手にやりました。」
「えぇ...」
「それでですね。あなたのスキル少し特殊ですよね。初めて見ましたよ、あんなもの」
「え、で何が特殊なんですか。」
「自分で分かってなかったんですか... 説明しますね。
普通スキルという物は沢山の成長因子によって作られてるんです。ですがあなたのスキル「神の書」は成長因子が一つしか無かったんですよ。それでその一つのスキルも未解明の魔法言語で刻まれてたので正体不明。訳解んないですよ」
神様から直接スキルパクって来たらスキルがバグっちゃったみたいですね...
「ミネルバさん...多分その正体不明のスキル。異世界から人を召喚するやつだと思います。」
「んっ なんですか。その訳のわからないスキル。」
ミネルバさん。またもや困惑しちゃってますよ...
「でも、それを聞いて合点が行きました。あのもう一人の異世界人はあなたが召喚したんですね。」
「えっもう一人の異世界人って...?」
「それも自分で分かってないんですか。あなたを抱きかかえてた人ですよ。」
「ああ!あのイケメン。」
「いけめん...? それが何かは知りませんが多分分かったみたいですね。
あのビスマルクさん凄い強かったですからねぇ。老人とはいえピアッツィ首長と互角に戦えるんですから。」
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