紫陽花の恋



弥生やよいの別れ 


卯月うげつの出会い


皐月さつきの風に揺られて光を受けた恋心は

五月雨さみだれを受けて輝き始める


水無月みなつき 満ちる時

太陽の光を受けて雨を待ち

雨に濡れて太陽を待つ


まるで二つの恋に揺れる心が

より彼女を美しく見せるように。大きく鮮やかに。


とどまり、ただ待つ身の心はあふれて

しずくとなって未来あしたを濡らす。


文月ふみつき

開ききった心は、恋の終わりを告げる。

焼けるような恋に焦がれた姿を残して

また恋が生まれるのを待つ



君は気付いてただろうか

小さな恋を見つけた喜び

数えてもいない光と影が過ぎる中で

輝きを増していく君を見つめる瞳に。


太陽の下、雨の中

二つの顔を見せる彼女に惹かれ、

期待と苦悩と喜びが混沌とした心。


太陽の光と寄り添い力強く鮮やかに

雨に抱かれてかすんでたたずはかなさに

そして、二つの想いを重ねた美しさに


時に激しい雨に散らした心を見て彼は心を痛める


時が過ぎ

うなだれ焼けた姿は恋の季節の終わりを告げる。


また来年 きっと会える。

二つの姿に魅せられた二つの想い。

過ぎた季節はまた巡る。

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