恋の詩

鷹山勇次

バレテハ イケナイ

傷つかないように

傷つけないように


何日か前にノートに書いた

必死でオブラートに包んだはずの言葉達


読み返すと

いたずらが見つかる直前の子供のようにドキドキして

あなたは読んだのかしら、

気付いたかしら。と心が焦る。


バレテハイケナイ。


消しゴムで全部消したら

なかった事に出来る。

そう信じて全部消してみたけれど

気持ちは引き立つばかり。


わかってほしい。

気付いてほしい。と願いながら、

バレテハイケナイ。と笑って流す。


バレテハイケナイ。


それは恋をしている事じゃなく。

あなたを思う気持ち。

素直に「好きです。」と言えたらいいのにと、

ノートの新しいページの上を漂うペンは、

意味のない言葉を並べたてる。


ため息で吹き飛ぶほどの軽い言葉達。

突き止めてほしいと願いながら、

バレテハイケナイ。と、覆う蓋が重さを増していく。


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