危険運転を強いられる
今日は連休明けで送迎の仕事が多い。そしてかなり無茶なシフトになっている。
同僚が辞めたからだ。
ガイドは薄給でなり手が少ない。その分を残りのメンバーがタイトなスケジュールとアクロバットな移動で埋めなければならない。
緊急事態宣言で外出自粛要請が出されガイドヘルパーの収入が大打撃を受けている。なぜなら送迎の仕事と違って、外出の同行は実入りが良いのだ。電車に乗って娯楽施設に出かけたりショッピングモールで買い物したりイートインで食事したり
ほぼ丸一日拘束される。そこに食事介助やおむつ交換のサービスが加算される。
これらが緊急事態宣言でほぼダメになった。
そしてガイドに飲食店のような営業補償は全くない。
これでは離職されて当然だろう。同じ時給ならスーパーやコンビニのレジ打ちするわという人が多い。そしてきっぱりと辞めていく。
介護福祉士という名称独占の資格を持ちながらバイトである。資格証が泣いている。介護職なら引く手あまただろうとよく言われる。
そんなに甘くない。買い手市場だ。放っておいても応募が殺到するので採用する側は若くて見た目の良い人を厳選する。
そしてコロナ禍でますます施設側は採用を絞っている。今年の初めにある大手病院のグループホームに応募したが面接に20代ぐらいの女性看護師が行列していた。
介護スタッフ募集枠1名に十五人である。ナースは足りないのではなかったのか?
しかたがないので落ちこぼれはニッチな仕事を奪い合う。
だが、ガイドヘルパーは誰もやりたがらない。
危険手当やキャンセルの保障がないからだ。例えば歩道で一時停止せず車道からいきなりモールの駐車場に突っ込んでくるドライバーがいる。
身体障碍者に咄嗟の回避は難しいい。最悪、ガイドが盾になる。
何故身を挺するかと言えば、矛盾する言い方かもしれないが保身のためだ。
利用者にもし万が一のことがあれば損害賠償では済まないだろう。マスコミはガイドの落ち度を過剰に叩きのめし、それみたことかと世間は私の家族を巻き込んで糾弾するだろう。
それが嫌なのだ。
そんな地獄絵図を家族に見せるぐらいなら身を挺して自分が障碍者になった方がいい。
このご時世、ドライバーが任意保険に入っている保証はないし支払い能力もしれているだろう。ガイド個人が任意加入できる保険も利用者までカバーしてくれない。
送迎中は安全を心がけるが、時間のしわ寄せを喰った分は拠点から拠点の移動時間でやりくりするしかない。
自分は死んでもいいが、利用者は命に代えてでも守る。
そういう覚悟が緊急事態宣言で余計に試される。
それがガイドヘルパーだ。
誰が喜んでなりたいと思うか。
私が仕事をする理由は前述通り、自分が利用する側の立場になる可能性
もう一つ。母が車椅子利用者なのだ。
今はサ高住にいてコロナの関係もあり面会できないが、職員に良くしてもらっている。
お前は金で介護を買っている。丸投げしていると言われたくない。
自分で親の面倒を看れればなおよいが、認知症の親を独りで介護しながら生計を立てるのは曲芸に近い。
ならばせめて、出来る範囲で。ガイドの仕事で社会に恩返ししようではないか。
注意。なお、本稿は交通違反の推奨をするものではありません。
そういう行為を強いられかねないほど過密なスケジュールになっているという暗喩です。筆者は交通ルールを順守しています。
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