流星

門前払 勝無

第1話

 一瞬の煌めきは気付かれない事の方が多い…。

 刹那に通りすぎて行く時の流れは虚しい…。


 缶コーヒーを飲みながらラムちゃんの仕事終わりまで待った。約束通り戸山公園の球場のバッターボックス裏のベンチで待っている。

 9時に約束した。


 一分が過ぎた。


 十分が過ぎた。


 一時間が過ぎた。


 十時間が過ぎた。


 一日が過ぎた。


 一年が過ぎた。


 十年が過ぎた。


 そして、僕は思った。

 もう来ないだろう…。

 しかし、誰を待っていたのか忘れてしまった。


 流れ星を見た。手を伸ばしたが掴めなかった。


終わり

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流星 門前払 勝無 @kaburemono

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