第7話 ドキドキお泊まり
「じょ、冗談じゃねぇ!なんであんな変態と関わらなきゃいけないんだよ!」
堪らず叫ぶ時夜、カラカラ愉快に笑い続ける四季葉は口を開いた
「けど、君はもうアイツにロックオンされてると思うよ?それに魔術を見ちゃった以上君はこちら側さ」
嘘ではないのか、真っ直ぐに時夜を見てくる四季葉。
「ふざけんな、そんなのそっちの都合だろうが!」
猛抗議する時夜、諦める気配のない彼に観念したように息を吐く四季葉。
「そんなに嫌なら方法がなくもないよ、あまりオススメはしないけどね」
四季葉の言葉に飛びつく時夜
「マジで?!どうすりゃいいんだ!?」
四季葉はおもむろに指を立て火をつける。
「君の記憶を焼く」
「はっ?」
悪魔の笑み浮かべる四季葉、目を点にする時夜。
「だから君の記憶を焼くのさ、魔術に関することだけ奪わせてもらう」
「はぁ?ま、マジかよ?」
「マジです」
「それって、その、安全なの?」
「そりゃもちろん安心してよ、荒事ばかりやってきた魔術少女四季葉ちゃんよ?繊細な魔力制御なんてできないから余計な物まで燃やしちゃうぜ☆」
「そうか、なら安心………ーーーーって安心できる要素皆無だけど!?」
ノリツッコミをかます時夜、悪魔の笑みを絶やさない四季葉は尋ねてくる。
「どうする?そっちの方がいい?」
「協力させてください、蒼炎様」
「四季葉でいいよ〜私も時夜君って呼ぶから」
「じゃあよろしくな四季葉」
「よろしくね、時夜君」
握手を交わし、笑みをこぼす二人。
「あっ、組むっていうなら、君の能力教えてよ。こっちの手の内はほとんど見せたんだからさ」
「は?あのな俺は
「腐っても魔術師、流石にただの人間を逃がすほど甘くないと思うけど?」
「だから……ちょっと待てそういや不思議な感覚があったかも」
呟く時夜に食いつく四季葉
「不思議な感覚?」
「なんていうか…………攻撃されると相手の動きが止まって見えた、それが無かったら死んでたかも」
自分で言ってて青ざめる時夜、難しそうに思案する四季葉
「今はその感覚はないの?」
「ああ、ないな、危険が去ったら終わる感じだった」
「ふーん」
おざなりに返事したと思ったら、四季葉は俺が瞬きした瞬間にピースした指を目の前に置いていた。
「なっ?!」
「どう?何かあった?」
聞いてくる四季葉、時夜は背筋を冷たくしながら答える
「いや…………何もない…………」
「うん?何か発動条件が違ったか?うーん」
考え込む四季葉、不意に何か思いついたのか再度質問してくる
「うん?そういや攻撃を受ける瞬間って言ってたね、狙われてた箇所はどこなの?」
「頭と心臓…………かな?」
「あ〜なるほどね、なんとなくわかったよ」
頷く四季葉に噛み付くばかりに問いかける時夜
「マジ?!すげえなあんた!?」
「多分だけど、死ぬって時にしか発動しないじゃないかな?だから私の目潰しにも反応なかったし………当てる気なかったしね」
「な、なるほど確かに辻褄は合うな……でもなんでそんな条件なんだろう?」
不可解そうに顎に手を当て考え込む時夜に自身の仮説を話す四季葉
「うーん、仮に君の能力を思考加速能力って定義するよ。常に加速し続けると君の脳に多大な負担がかかるから無意識に制限かけてんじゃない?ほら、君、話によると二回使っただけで鼻血出してぶっ倒れたじゃん?だから死ぬ間際じゃないと使えない………のかも?私は魔術少女だから超能力者については詳しくないしね〜」
最後は締まらなかったが、なんとなく理解できる仮説だと納得する時夜
(何にせよ、俺も憧れの能力者デビューだ!!)
興奮が収まらず感極まった時夜は握りこぶしを作る。
興奮が収まった後にふと気になったことを訪ねる時夜
「そういやあんたどうすんだ?」
不思議そうに小首を傾げる四季葉
「どうって?」
質問に質問で返され、そんな四季葉の返事に疑問が浮かぶ時夜
「今日泊まるとこだよ、まさか野宿なんて言わないよな?」
自分で言いながら、こいつならありえるかもと考えていた時夜だが即否定された
「アハハハ、大丈夫そこまで世間知らずじゃないよ、今夜泊まるところは
最初は否定の言葉に安堵していたが、最後の言葉を聞いた瞬間にニヤニヤしてる四季葉にまた間抜け顔を晒す時夜。
「はぁ??いや、それは、そのまずくないか、色々」
赤面する時夜、いやらしい笑みを浮かべる四季葉は尋ねる
「何?私に何かいやらしいことでもする気なの?」
自身の肩を抱き身をよじる四季葉、明らかに冗談だが女性の扱いに慣れてない時夜は赤面する
「すーーー、すーーーー、するわけねぇだろーーー!!」
顔を真っ赤に染めて恥ずかしがる刻夜を品定めするように見つめる四季葉
「…………やっぱ可愛いね☆」
「うるせ」
明らかに弄ばれている時夜、笑い続ける四季葉
そうこうしてる間に夜は更けてきた。
「じゃあ私ソファーで寝るね〜」
「は?いやベットで寝ろよ、おれがソファーでいいから」
「あ〜じゃあお言葉に甘えるわ〜お休み〜」
「お休み」
その言葉は今日最後の言葉になり、時夜の意識が遠のいていった
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