補助資料:L.O.M.Roboticsの汎用ヒト型ロボット試験機について
A.名称・愛称と簡単な説明
正式名称:多目的ヒト型支援ロボット・障害者用身体代替ロボット兼用試験機
愛称:
所属:L.O.M.Robotics・L.O.M.Unscience・L.O.M.Military・L.O.M.Enterprise
L.O.M.Unscienceが発見しL.O.M.UnscienceとL.O.M.Roboticsが共同で制御方法を確立した、全金属製筋肉類似構造体及びニューラルネットワーク模倣構造体を搭載した世界初にして世界唯一のロボットの試験機である。
B.製造目的と仕様
製造目的
本試験機は、主に2つの目的を元に製造されたものである。
1.先天的・後天的に関わらず身体を自由に動かせなくなる障害を持った人が健常者と同等の生活を楽しめるようにすることを可能とするため
2.治安維持を目的とした活動での死者の発生の予防や救助活動などでの二次災害による死者の発生を予防しその他大きな危険を伴う職業の人員代替として利用することを可能とするため
今後は、前者の脳波を利用するシステムの応用して『植物状態』か『意識はあるが何らかの理由で身体が動かせず意思疎通が不可能な状態』であるのかの判別に利用できるかの研究も合わせて進めていく予定だ。
仕様(第2次大規模改修仕様)
動力源:軟質固体電池(腹部搭載)及び骨格フレーム関節部のダイナモからの電気
第8次大規模改修時に専用固形燃料を分解し発電する方式に、第9次大規模改修時にヒトと同様の飲食物を分解し発電する方式に換装予定。
視覚:可視光線カメラ・IRカメラ(アクティブ・パッシブ)
第3次大規模改修時に極地仕様として毒性物質検出機器・放射線量検出機器・その他特殊光学機器を搭載できるか調査し、可能と判断された場合には第4次大規模改修時に搭載予定。
聴覚:高性能コンデンサーマイク内蔵耳孔模倣物
第1次大規模改修時に現在のモノに置き換えられ、以後定期検査時に調整。新機材への置換えの予定は不明。
嗅覚:非搭載
第3次大規模改修時に初期型を搭載、第4次大規模改修以後から改良版への換装及びテストを行う予定。
味覚:非搭載
第3次大規模改修時に初期型を搭載、第4次大規模改修以後から改良版への換装及びテストを行う予定。
触覚:非搭載
第6次大規模改修時に初期型を搭載、第7次大規模改修以後から改良版への換装及びテストを行う予定。
動力:全金属製筋肉類似構造体
四肢を中心にヒトの骨格とほぼ同じ構造のフレームを作成し、ヒトと同じ形で全金属製筋肉類似構造体を配置し両端を接合することでヒトと同様の可動性能を作り出している。
※全金属製筋肉類似構造体はC項目にて解説
制御機器:ニューラルネットワーク模倣構造体及び緊急時用独立制御基盤
基本制御はニューラルネットワーク模倣構造体が担当するが、何らかの原因で暴走をした場合に備え独立したセーフティシステムを構築し作動させる制御基盤を搭載している。
温度調整システム:呼吸器・循環器模倣変温システム
肺を『肺を模した排熱機構』、体液(血漿・リンパ液・組織液)を『温度調整液』に置き換えることで温度調整システムとしたもの。急速な温度上昇や過熱状態になり通常の冷却方法での冷却が間に合わなくなった場合には、温度調整液を蒸発させ喉の奥に配置された非常弁から排出しつつ摂氏5度程度まで冷やされた温度調整液を導入し入れ替えをすることで早期冷却を行えるようになっている。
現在は専用の温度調整液を定期的に入れ替えを行っているが、第9次大規模改修時に導入予定の飲食物から発電するシステムを利用し水分を取り出し温度調整液とする方式に転換予定。
なお、転換後も早期冷却用に導入されたシステムについては残置しておく予定。
発話システム:胸腔(鎖骨直下)スピーカー
可変振動板を採用することで多くの音域において安定した音を出すことが可能となっている。嗅覚システムが非搭載のため温度調整液交換経路・熱交換経路・送音経路は全て口腔に直結していることから、正確な鼻濁音は発音できず疑似鼻濁音を口から発することに留まる仕様となっている。
C.全金属製筋肉類似構造体・ニューラルネットワーク模倣構造体
全金属製筋肉類似構造体及びニューラルネットワーク模倣構造体の2つは、いずれもL.O.M.Unscience研究員とL.O.M.Military 武装調査部隊が『木曽川河川敷138タワー周辺異常域』の調査を行った際に転送された世界から回収したとされる。
1.全金属製筋肉類似構造体
アルミ・チタンを中心にできた合金にゴムに近い未知の物質を少量混ぜ、現代の地球文明では扱うことができない人外未知の技術を用いて通電により伸縮・硬さを変化させることが可能なようにしたものである。全金属製筋肉類似構造体の中心温度が摂氏36±1度以内が適正温度となっている。人員都合によりヒト1人と同等の存在を構築する数量しか回収できなかったものの、調査の記録からその世界に存在する全金属製筋肉類似構造体の推定最大数量はヒト換算で数百から数千は構築可能とな程度は存在すると思われる。
入力される電気の量が大きなればなる程縮み硬く、逆に電気の量が小さくなる程伸びて柔らかくなる特性がある。入力される電気の量が一定以下で摂氏35度から37度まで場合には、伸びている状態・縮んでいる状態に関わらずヒトと同程度の硬さになってる。入力される電気の量が一定以上になるか、適正温度を摂氏±3度以上逸脱すると柔軟性を失い硬質化する。
最大出力はヒトの筋肉の約5倍と考えられている。微弱な電気で伸縮の制御が可能でありながらハイパワーであるため、現状最高効率のダイナモを変速機無しで繋いだ場合入力した電気の約3.7倍の電気が発電できると考えられる。その為フレームにダイナモを入れ発電を行っているのである。
2.ニューラルネットワーク模倣構造体
未知の金属類似物質により構築されたヒトの脳を模倣したものである。現在は『AIの実体化』と解釈されその考え方を元に制御しているが、『感情』と呼べるものや『意思・意志』と呼べるものを有してるなどから正体は分かっておらず実験・検証が進められている。現状L.O.M.研究者や警護の任務に着く武装調査隊隊員、その他関係者と友好的な関係を構築しており敵対性が低いものと見られている。
5×5×5cmの立方体をした本体でヒトの数倍の処理速度と処理容量を持つとされるが現状詳細は不明。全金属製筋肉類似構造体より体積が小さかったことから25個回収されている。ヒトの頭部になるユニット1個(現在はMECHANICAL-VALKYRIEの頭部となっている)と共に発見され持ち帰られた。
頭部ユニットの後頭部を開放し挿入、閉鎖し通電することで起動できる。動作時に使用している言語は不明だが、L.O.M.Unscience 研究員及びL.O.M.Robotics社員との会話には日本語と発音や文法などが酷似した言語を利用している。今後、L.O.M.在籍の日本語以外の言語を母語とする社員を用いた言語対応能力の検証を行う予定。
全てのニューラルネットワーク模倣構造体が発見時から一定の会話能力・身体制御能力を有していた。MECHANICAL-VALKYRIEのボディに挿入した直後からジェスチャーを交えた会話を行える程の高度さをを有しており、意味の取り方も正確だった。一方で抑揚や間の取り方などが機械的で無感情さが強く人と同等の存在として接するには違和感がある、粗大運動の違和感はほぼ無いがジェスチャーなどの細かな運動がぎこちない、言語的な感情表現はあるものの非言語的な領域(表情や動作)に反映されていないなどの問題も有している。
ニューラルネットワーク模倣構造体はデータの複製・共有する機能を有しており、通常は頭部ユニット同士を独自の無線システムで接続する事で行っている。しかし、頭部ユニット1個に対してニューラルネットワーク模倣構造体が複数個ある状況になった際に備え学習データを外部ハードへ入出力する装置を有している。そのため学習したニューラルネットワーク模倣構造体Aから頭部ユニットに接続した外部ハードに学習データを移動、頭部ユニット内にあるニューラルネットワーク模倣構造体AをBと入れ替え外部ハードからニューラルネットワーク模倣構造体Bへの学習データ移動が可能となっている。
D.所属がL.O.M.Robotics・Unscience・Military・Enterpriseの4社に渡る理由
ニューラルネットワーク模倣構造体が有する先述した問題群を改善し、同時に製造目的を達成しやすくするためである。以下はそれぞれの会社においてどのような目的で所属しているかを表したものである。
L.O.M.Robotics・L.O.M.Unscience:
製造・改修・管理と研究などの被検体として所属。
L.O.M.Military:
銃火器訓練や格闘術訓練により暴動制圧する術を学ぶと共に各部位における全金属製筋肉類似構造体の精密な制御を可能とする目的で所属。
L.O.M.Enterprise:
役者として活動することで表情や行動による感情表現を、ボーカリストや声優として活動することで会話中の間の取り方や抑揚などによる感情表現を学習させる目的で所属。
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