(二)-6
「何かの捜査か? 監察課なんだからそんな権限ないだろう」
「ただの興味本位よ。組長が不在のまま組織が存続している組ってあり得ないじゃない」
そう言うと、法子はテーブルの上に身を乗り出し、小声で続けた。法子の大きめな胸がテーブルの上に乗っかった。少しきつめのブラウスのボタンが圧力で少し引っ張られているように見えた。
「近々、おたくへ監査に行くかも」
やはりそちらか。本来は県警本部から監査が来るはずだが、警察庁から来る事例がつい二ヶ月前にあった。熊井市の南に位置する喜多元市にある喜多元警察署に警察庁の監査が入ったのだ。前例のない事態で、川居署内では署長と副署長が慌てていた。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます