(二)
翌朝、私は登校した。駅から歩いて学校へ向かう途中に、私の先を歩いて行くムサシ君の姿を発見した。これはチャンス! 昨日のお礼をここで言わなくっちゃ!
そう思って私は足の動きをスピードアップさせて近づこうとした。そのとき、後ろから走って私を颯爽と追い抜いていった男子生徒がいた。その男子は、ムサシ君に追いつくと、彼の背中をバーンと叩いて「おはよう!」と声をかけていた。
対して「いてえよ、ミノル」とムサシ君は挨拶を返していた。
(続く)
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