(一)-3

 職員室に入り、八島先生のデスクの上にわら半紙にホチキス留めされた資料の束が置かれていた。用事というのは、その資料の山を委員会に持っていって欲しいということだった。球技大会の実行委員会で配る資料であった。

 「じゃ、よろしくな。俺もすぐに行くから」と八島先生にこの束を手渡された。三〇センチほど高さのある資料の山は、ずっしりと重かった。

 私は「はい」とだけ応えて、資料を両手で抱えながら職員室を出た。

 委員会は校舎の二階にある多目的教室で行われる。私は階段を上がってその教室へと向かった。


(続く)

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