(二)-7

 この少年というのは、松崎のことだろう。彼は誰かに押されたらしい。そんなことをするのは一体どういうひとなのだろうか。

 ニュースをぼんやりみながらそんなことを考えていると、玄関から音がした。明が帰ってきたのだ。

「また遅くなって。どこに行ってたのよ」

「どこでもいいだろ」

「テスト勉強、ちゃんとしてるの」

「房恵には関係ないだろ」

「関係あるわよ。昨日も今日もこんなに遅くなるなんて。中学生のくせに」

「いいだろ、誰がどこで何をしていたって」


(続く)

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