湖の底
筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9
(一)
昼前に東京駅を出発した東北新幹線「はやぶさ」一九号は、大宮駅を出発すると県庁所在地のある宇都宮、福島駅も通過し、約一時間後に仙台駅に到着する。乗客の多くは会社員で、一部観光客もおり、その多くがこの駅で下車していった。
私とこの男はこの列車でそのまま盛岡駅まで行き、在来線を乗り継いで温泉郷まで行く。
新幹線に乗って早々、缶ビールを二本開けたこの男は、シートのリクライニングを最大限に横倒しして、今は目をつぶっていびきをかいていた。
私は、この男を殺す。せっかくの旅行なのに寝てしまったから、というわけではないではない。この男は姉の仇だからだ。そのために私は、この男をこの旅行に連れ出したのだ。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます