2章:森林街
2-1.レフナンティ
チチチ…。小鳥の囀りが窓の外から聞こえる。
カーテンの隙間から差し込むのは、柔らかな陽光。その光が顔に差し掛かった眩しさで俺は薄らと目を開いた。
「ん〜眠い。眠すぎる。駄目だ。寝よう。」
ゴロンと窓に背を向けた俺は、心地良い微睡みの中に沈んでいく。
今日も…平和だ。
1時間後。
俺は大慌てで身支度を整えていた。
何故かって?そりゃぁ簡単さ。今日は月に1度のギルド加盟試験が開催されるんだ。今日を逃したら、1ヶ月後まで待たなきゃいけない。
この日の為に特訓を積み重ねてきたんだ。ここで寝坊とか…有り得ない。そう、有り得ないんだよ俺!
どうして2度寝したし!
俺はドタバタしながら麻の服をチャチャっと着ると、朝ごはん用に用意していたおにぎりを片手に家を飛び出した。
「くそっ。マジで時間が無いな。試験前に魔法は使いたくなかったけど、しょうがないか…!」
俺は玄関から真っ直ぐ走ると、1番近くの崖目掛けて走る。
あ…そう言えばレフナンティの入口前で試験開始の1時間前に待ち合わせをしてたような。
いやぁ、これはアレだ。平謝りコースだな。
木々の間を少し走ると、突然パッと景色が開ける。
「いやぁいつ見ても絶景!よし!」
目の前に広がる光景は、雄大な蒼の空と、見渡す限り続く柔らかな木々の緑。
俺の住む森林街は…自然が多くて素敵な星だ。この喉かな風景を眺めるのが好きなんだよね。
そんな事を考えつつも、俺は崖に向かって走り崖の縁を強く蹴って空へ飛び出した。
ほんの少しだけ前に進み、落下感が全身を襲う。
「おぉう。やっぱコエェ。」
勘違いしないように言っておくけど、ギルド加盟試験に遅刻しそうだから自殺ってんじゃないよ?
この落下のスピードを利用する事で、初速を稼げるんだよね。怖いからこーゆーのあんまやりたく無いんだけど、今は致し方なし。ってヤツだ!
俺は手の平を下に向け、魔法陣を展開する。複雑な紋様の魔法陣が光り輝くのと同時に、風が俺の周りに集まり、体から落下感が消え去った。
「いいねっ。これなら…ギリギリ間に合うか?」
落下の速度を利用して高速移動しながら浮き上がった俺は、ギルド加盟試験が行われる…レフナンティへ向けて飛翔を開始した。
空を飛んでいると、俺の周りに鳥たちが集まってくる。
何でか分からないんだけど、動物達に好かれるんだよね。
鳥達と戯れるようにしながら高速飛翔をしていると、木々の向こうに木造建築群が見えてきた。
俺のいる星、森林街の首都『レフナンティ』だ。
首都というよりも、唯一の街だから必然的に首都的な立ち位置なんだけど…まぁ細かいことはいっか。
ともかく、俺はこのレフナンティでギルド加盟試験を受けるんだ。
なんか緊張してきたな。
「…さてと、街の入口で待ち合わせしてたけど……やっぱ居ないよなぁ。」
入り口に居ないとなると…アイツは試験会場へ先に向かったんだろうな。俺を待ってて自分も遅刻しましたなんて洒落にならないもんな。
ヤバイな。今何時だ。試験開始に間に合うか微妙な気がするぞ…!
レフナンティの入口に着地すると、退屈そうに欠伸をする守衛のおっちゃんに声を掛ける。
「おっちゃんおはよう!」
「ん?おぉ、龍人か!そんなに急いでどうしたんだ?」
「今日のギルド加盟試験を受けるんだよ。ちょっと寝坊しちゃってさ。」
「はぁっ!?おい、試験の受付締め切りまで後5分しかないぞ!」
「げっ。マジで!?」
「マジマジの大真面目だ!ほら!走れって!」
「あ、あぁ!ありがとな!」
「おぅ!頑張ってこい!まぁ、受付に間に合えばだかな!はっはっはっ!」
俺は軽く手を振ると全力で走り始めた。
にしても守衛のおっちゃん…俺が受付に間に合うか微妙な状況を楽しんでたような?
俺はあぜ道で出来たレフナンティの通りを走りながら、顔見知り達に軽く挨拶をしていく。
あぁそうだ。まだちゃんと自己紹介をしてなかったか。
俺の名前は高嶺龍人。
ここ森林街に生まれ、今年で24歳になった将来有望な若者だ。なんたって、これからレフナンティのギルドでバンバン魔獣を倒して有名ギルドランカーになるんだからな!
ま、試験の受付に間に合えばだけど…!
程なくしてギルドにたどり着いた俺は、中に飛び込んで加盟試験の受付を終了しようとしていた可愛いお姉さんに頼み込み…なんとか試験参加の資格を得たのだった。
「マジ危ねぇ。ギリギリセーフ。よくやった俺。」
加盟試験控室に入り、野球の審判がセーフの時にするようなジェスチャーをしながら安堵する俺の後頭部に衝撃が走る。
「イッテェ…!誰だ!?」
こんな闇討ちみたいな真似をする奴は許さん!試験前だとかは関係無い。キッチリ落とし前を付けてやるぜ!
そんな感じで息巻いて後ろを振り向いた俺は、勢いを一気に衰えさせて苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
だってさ…遅刻したの、俺だし。
「龍人…君の寝坊に振り回されるの、何回目だと思う?」
「あーっと、そうだな…5回目かね。」
「いやいや!週に1回は寝坊被害受けてるよ?って事は、月に4回で年間48回。20年は一緒にいるから816回。」
おぉ。暗算早いな。…にしても、今日は相当怒ってるな。
「聞いてる?しかも今日は龍人の寝坊で、危うく俺も試験に遅刻しそうだったんだからね!」
両手を腰に当てて激怒しているのは、幼馴染みの藤崎遼だ。
中々のイケメンなんだけど、髪が所々跳ねている所為か、気を抜いていると中々にアホヅラにも見えるおっとり系男子。そんな遼が激怒しているもんだから、何故か笑いが込み上げてしまう。ま、笑うと火に油だから表には出さないけどね。
「龍人…今笑うの堪えてるでしょ?」
げっ。なんでバレたんだ?絶対に表情には出してないと思うんだけど。
「あのね…どれだけ付き合い長いと思ってるのさ?反省してない時の表情を見分けるなんて朝飯前だからね?」
「いやいや!反省してっから。久々に遅刻挽回の為に全力出したもんな。」
「ははぁん。という事は、これまでの遅刻の時は焦ってなかったって事だよね?」
おおぅ。鋭いツッコミじゃないか。こーゆースイッチ入った状態の遼は、ヤケに頭の回転が速いんだよな。これは素直に謝るのが得策か…?
どうしたもんかと悩んでいると、ムキムキな男がツカツカと歩み寄ってきた。
なんだなんだ?試験前のライバル潰しか?
俺と遼は言い合いを中断して警戒する。
なんと言ったって、ギルドに加盟出来るのは一定の実力者のみだ。そして、ライバルが少ない方がギルド加盟後に沢山のクエストを受けられるのは自明の理。
つまり、ギルド加盟を狙う者をギルド試験前に脱落させるのは…ある意味で合理的且つ効率的なライバル減らしって訳だね。
つっても、そんな簡単に負けるわけには行かないけど。
「おっちゃん。何の用だ?」
俺の挑発気味な言葉にムキムキ男は目をカッと開く。
「バカもん!!!試験前に控え室で騒ぐな!皆が試験に向けて集中しとるというのにお前達は緊張感が無さすぎる!!良いか!?次騒いだら試験前に失格だ!」
「は…はい。」
物凄い剣幕。そして、まさかの試験開催側の人間だったとは…。
俺と遼は顔を見合わせて一時休戦という事で、軽く頷き合ったのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
それから訳1時間後。
俺はギルドの試験会場に立っていた。
で、円形の闘技場の反対側には試験官が立っている。左手に鉄剣を持ってるな。
誰が試験官を行うのかは極秘情報らしく、全身を麻のローブで覆っていて男なのか女なのかも分からないんだよな。
これで、もし女で間違って胸を触っちゃったらどうなるんだろ?やっぱりセクハラとか痴漢扱いになるのかな?
そーなると、あんま接近戦はしたくないな。
いや、そもそもギルド加盟試験で男とか女とかの差別がある訳ないか。となると、痴漢とかって関係ないか。
…別にチャンスがあったらどさくさに紛れて揉んじゃおうかな。なんて考えてないからな?
「よーし。それでは高嶺龍人のギルド加盟試験を開始する。」
…ん?もう始まるのか。変な事考えてボケッとしてた。気を引き締めなきゃな。
因みに、アナウンスをしてるのは俺と遼を注意しに来たムキムキ男だ。
ムキムキ男は手に持った紙を見ながら試験のルールを説明していく。
「まず、勝敗についてだが、試験官と受験者のどちらかが負けを認める。もしくは闘技場の場外に落ちた時点で勝敗が決するものとする。尚、魔法の使用は勿論認められているが、相手の生命に関わる攻撃をした場合は失格とする。しかし、それだけでは全力を出せないことも予想される為、試合開始前に一定威力以上の攻撃を一度だけ無効化する首飾りを装着してもらう。この首飾りが攻撃を無効化して砕け散った場合も負けとなる。この試験の趣旨は多種多様なギルド依頼に於いて適切な力のコントロールが出来るのか、そして依頼を任せるに足る力を有しているのかを判断する事である。その他の細かいルールは無い。試験官は一定以上の実力者。これを問題なく倒せるのなら、ギルドで活躍出来るとの判断をする。高嶺龍人…質問は?」
「ないです。」
「よろしい。では、首飾りを付けてもらおう。」
試験官から赤い宝石が中央に嵌め込まれた首飾りを渡される。ちょっと過保護な気もするけど…まあ何かの間違いで死ぬよりはマシかな?
俺が首飾りを付けるのを確認すると、ムキムキ男は頷き、右手を高々と上げた。
「それでは試験を開始する。3、2、1…始め!!」
結構パパッと始まるんだな!?
もう少し勿体ぶるのかと思ってた俺が肩透かしを食らってムキムキ男を見ていると、前方から急激に圧迫感が押し寄せる。
圧迫感の発生源は当然の如く試験官だ。キラッと光ったのが見えたかと思うと、銀閃の斬撃が俺の胸元を斜め横に斬り裂く。一瞬での接近か…想像してたより試験官強くないか!?
「むっ?」
疑問の声を出したのは試験官だ。
何故かって?そりゃあ俺がバック転の要領で回避したからだ。避けながらサマーソルトキック気味に蹴り上げを試験官の顎へ放ち、後方へ移動しつつ距離を確保する。残念ながら蹴りは綺麗に回避された。
ま、目的は距離を空ける事だ。問題はない。
「この試験の為に結構特訓したんだよ。ってな訳で、負けらんないんでよろしく!」
俺の右手に魔法陣が展開される。
んで、光り輝いて発動した魔法陣から出るのは、一振りの剣。別に業物でも何でもない普通の剣なんだけどね。
俺が剣を握ったのを見た試験官が忍者みたいに疾走を開始した。結構速いな…間に合うか?
俺は続け様に4つの魔法陣を展開し、火、電気、水、風の魔法を同時に発動させた。
まだまだ魔法の習熟度合いが低いから、基本的な魔法しか使えないんだよな。
普通に考えれば基本的な魔法しか使えない俺が、強いって事にはならないと思う。
でも、魔法陣を描くのではなく、完成された状態で展開できるのは強みになる。つまり、普通の魔法使いとは違うトリッキーな戦い方が出来るんだ。
要は魔法をどう使うかって話だ。
1年前は2つまでしか魔法陣を同時発動出来なかったけど、特訓の成果あって今では4つまで最大数を伸ばす事が出来ている。
「4属性同時発動だとっ?」
試験官は驚きの声を上げながらも、横に飛んで4種の魔法を避ける。
今の、同時発動じゃなくて連続発動にして逃げ場を無くした方が良かったのかも…。
戦術ミスを反省しつつも、俺は試験官に向けて走る。
咄嗟の回避で体勢を崩してる今を逃すなんて、そんな勿体無い事は出来ないもんね。
「もらった!」
俺は試験官へ斜め下からの斬り上げを放った。直撃必至の一撃に勝利を確信する。
「くっ……!だが、この程度で…!」
「…!?くそっ!」
強引に体を捻った試験官は、それでも避けられないと見ると自身の足元に風魔法を発動する。
しかもだ、圧縮した風を解放する形で放ちやがった。
風は解放された勢いで試験官を吹き飛ばしながらも、風刃となってt俺と試験官に容赦なく牙を剥いた。
「ぐっ…!?」
乱れ飛んだ風刃の1つが俺の鳩尾に突き刺さる。
衝撃に体が宙へ浮き、視界が回転する。
ドンっという音が自身の背中から聞こえたと思うと、俺は闘技場に横たわっていた。
どうなったんだ…?身体中が痛い。衝撃の後遺症なのか、視界も霞んでるし。
「い…つつつっ…。」
それでも、俺は気力を振り絞って上半身を起こす。
ここで倒れる訳にはいかないんだ。この日を狙って、遼と特訓を積み重ねてきた。そして、一緒にギルド加盟試験に合格して活躍するって約束は守らなきゃならない。
それに…ギルドで活躍すれば、あの娘ともっと仲良くなるチャンスだって…!
「はぁぁあああ!」
「マジ…かよ!?」
霞んだ視界が鮮明さを取り戻した俺が見たのは、剣を振りかざす試験官の姿だった。
その切っ先は真っ直ぐ俺の首へ振り下ろされる。
まずい…このままだと負けになっちまう。
けど、ある意味でこれはチャンス…かも知れない。人ってのは油断した瞬間に隙が出来るもんだ。
どんな百戦錬磨の男だって気が緩む場面はある。例えば、勝ちを確信した瞬間とかね。
それに、このピンチをチャンスに変える位の判断力と度胸がなきゃ、ギルドで活躍出来る筈もない。ギルドで活動するって事は、人間以外の魔獣が相手になる場面も多々あるはずなんだ。
ってな訳で俺の作戦は…。やられたらやり返せだ…!
体の中心から魔力を呼び起こす。魔力はストックしていた魔法陣を呼び出し、俺の右手に展開する。
そして…切っ先と俺の間に魔法陣を翳し、発動。
魔法陣が光り輝き、効果を発動する。
これで使える魔法陣は残り15個。
「…!?小癪な!」
試験官から動揺する雰囲気が伝わってくるが、そんなの知ったこっちゃない。勝つためなら…手段は選ばないんだな。
例え、それが相手の技を真似たものだとしても。
俺と試験官の間に出現した風刃が全方位に乱れ飛ぶ。
「がぁっ…!?」
「ぐっ…!」
俺と試験官は再び風刃の直撃を受けて吹き飛んだ。
…けど、ここからはさっきとは違う流れだ。俺は吹き飛びながら左手に展開していた魔法陣を発動させ、電撃を試験官に向けて放つ。
更に着地してすぐ、痛む体に鞭を打って駆け出した。アドレナリン先生大活躍中!
狙うのは試験官が電撃に対処する瞬間だ。両手に展開した魔法陣から風を発動して俺の背中を強力な追風として押す。
「うぉ…!」
想定以上にスピードが上がって思わず声が出ちまった。空気抵抗が強くて、頬っぺたが歪んでる気がするぞ!?
でも、これならいけるはず…!
案の定、俺の視線の先では試験官が紙一重で雷撃を避けていた。
「くらえ!」
試験官の足下に手を突いて後方へ抜けた俺は、魔法陣を更にもう2つ展開発動し、剣を横一文字に振り抜く。刀身に纏った火が広がり、斬撃と火による多重攻撃を試験官に叩きこんだ。
使える魔法陣はあと9個…!
「これしき…!」
試験官は崩れた体勢にも関わらず剣を振り下ろして俺の一撃を相殺する。しかも、風魔法で俺の火魔法を上手く防いでやがる。
「…やるね。」
俺はニヤリと笑いながら、目の前で剣を合わせる試験管へ挑発気味に声を掛ける。
「ふん…!この程度で負けるか。半端者をギルドへ加盟させる訳にはいかないからな。」
「言ってくれるな。けど…俺の勝ちだ。」
「何を…勝負はまだ終わっていない。」
まぁ普通はそう考えるよな。
だから、俺はニッコリ笑う。
「俺は正々堂々と使える手段を使うんだ。」
「…?……!ぐおっ!?」
試験官の足下が発光したかと思うと、魔法陣が光り輝いて電撃を発現。それは試験官の体を突き抜けるように上空へ迸る。
その瞬間、試験官の体が淡い光に包まれ、パリィンという澄んだ破砕音が響き渡った。
へへん。さっき試験官の下を通り抜けた時に、魔法陣をこっそり設置したんだよね。
「それまで!!」
ムキムキ男の声が闘技場に響く。
「うしっ!」
勝利をもぎ取った俺は拳を握り締めてガッツポーズを取った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ギルド加盟試験を終えた俺と遼は、近くにあるラーメン屋で優雅なランチタイムを過ごしていた。
優雅な…という言葉が表す余裕感の通り、遼もギルド加盟試験に合格した。しかも、俺みたいにギリギリの戦いじゃ無かったらしい。
てか、普通に軽い手合わせをしたら「実力十分。合格。」的な流れだったとか。
試験官によってハードルが違いすぎないか?
「あと30分位でギルド加盟式だけど…龍人、それ食べ切れるの?」
俺の悶々とした知らずしてか、遼が呆れ声を出す。その視線の先にあるのは、俺の前に置かれた激辛ラーメンだ。
食べ切れるの?…って失礼な質問だと思わないか?普通に食べるだけなんだから、ラーメンで30分掛かる訳がないってのにね。
不思議そうな顔をする俺を見た遼は溜息をつきながら首を横に振る。
「ごめん。龍人は普通の味覚じゃないもんね。」
「おい!それは完全に俺がバカ舌って言ってるぞ?」
「そうかな?」
「そうかなって…なぁ。」
下らない会話だけど、こーゆーのが良いんだよね。
今日のギルド加盟試験に向けて俺も遼も根を詰めて特訓してきた。その努力が報われたんだ。今は少しのんびりさせてくれ。
とはいっても、あと30分後でギルド加盟式が始まるから、あんまりのんびりはしてられないのも事実なんだけどね。
くぅぅぅう!このラーメン辛い!
俺は額に滲む汗を拭きながら水を飲み干すのだった。
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