人生とか? 詩

鷹山勇次

冬・ After the midnight

世の中は理想と挫折に満ちていた。


はるか先まで人気のない歩道は


薄黄色い明りに照らされて


ひときわ冷たく見える。


車道では無機質な四角い箱が


白い光を放ちながら


列をなし移動していく。


まるでぬくもりのない世界。


目に見える全てが人工物なのに 人が感じられない。


色あせたテナント募集の張り紙が


周りの色さえ奪い


モノクロの建物がただ立ちすくんでいる


足を踏み入れたら


飾られた機械たちに襲われそうな


ショールームという名のガラス張りの暗闇。



歌わず、騒がず、語らず。


分別のある大人のふりをした


子供の心が


街灯とネオンのきらめきの中で


逃げ込む闇を探して


歩いている。


まるで誰もいない街を彷徨う夢のように。

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