あの時の恐慌
これまでの人生で一度だけ、寒くもないのにガタガタ震えたことがあります。
落ち着こう、落ち着こうと思っても一向に治らない震え。
それは、11年前、原発の建屋が水素爆発を起こした時の事です。
次第に風向きが変わり、耳慣れない単位とともに、放射性物質が陸地へと流れだしました。
生活の危機と命の危機を感じて、とにかく怖かった。
マスメディアからの情報も無責任なものばかりに思え、何を信じて良いのか分からず、不安と恐怖と焦りが高まり、眠れませんでした。
そんな状況ですと、信じたい情報しか信じなくなってしまったり、中々冷静になるのが難しかったです。
ガチガチの文系の私が、専門的な情報等を必死に読み込んでも結局はよく分からず、最終的には、学生時代に放射能の危険性についても学んだことがある理系の兄弟達の言葉と判断を信じました。
幸い、本当に幸いな事に、今穏やかに暮らせています。
この時期になると「もう、あんな思いはしたくないね」と家族で話すとともに、当時お世話になった、ご縁に感謝します。
今、こうしていられることが何より有難いことです。
世界は今日も揺れていて、多くの一般市民が、当時の私とは比べものにならない不安と恐怖の中にあるのだと思います。
穏やかな日常をと、祈らずにはいられません。
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