あづきさうし

にぎわい

　秋日和。

　山々の裾野は錦で輝き、まちを歩けば赤や黄色の街路樹が通りを彩っています。

　さわやかに晴れた今日は、お出かけにもってこいって感じの１日でした。

　昼間、買い物をしに市街地に出かけ、車で斎藤さんが眠るお寺のある辺りを通りました。

　そこは、大正浪漫を感じられる建物も楽しい、市内でも有数の観光スポットなのですが……おおっ、人がいる！

　ついこの間まで、チラホラとしか見かけなかった観光客と思しき人々が、今日は沢山楽しげに歩いています。

　休日でしたが、色んなデザインの制服姿のグループも多くいて、修学旅行生が来てくれているのが分かりました。

　漆器店も、木綿屋さんも、甘味処も、手作りのハンバーガーショップも……お客さんがしっかり入っている模様。

　新しくできたという、話題のわらび餅屋さんの前には、行列までできていました。

　「にぎわい」が漸く戻ってきたようです。

　人が来るということは、感染リスクが高まることにもなると思うので、どこかで「心配だなぁ、再び感染が拡大しなければ良いけれど……」と、手放しには喜べない気持ちもあります。

　しかし、この活気は疲弊しきった地元経済には待望の光。

　どうか、このまま穏やかに日常が戻りますように。

　そう願わずにはいられません。