耳をすませば

「カッコー カッコー」


 最近の私の目覚まし音はこれです。

 アラーム音ではなく、本物のカッコウの声。

 よく通る声なので、窓を閉めていても聞こえるのです。

 近所の木の上に巣があるようで、毎年この季節になると清々しい鳴き声を聞かせてくれます。

 この声を聞くと、夏が来るんだなぁとしみじみ感じる、初夏の風物詩です。


 春から夏のはじめにかけて、耳を澄ますと聞きえてくるのは、大抵「鳥のこえ」です。

 ツバメのお宿になっていますし、蔵の屋根にもスズメがたくさん住んでいますので、


「チュピチュピ」

「チュンチュン」


 という楽しげなさえずりは、いつでも聞こえてきます。


 ほかに聞こえてくるのは、


「ボーボー、ポッポー、ボーボー、ポッポー」

 という長閑なキジバトの声。


「ケーン、ケーン」

 という哀愁を感じるキジの声。


「ピーヒョロロロ」

 大空をいくトビののんびりとした声。


「ギャーギャー」

 という、ヒヨドリの悲鳴のような声も。


 晴れの日の休日、家にいると絶え間なく聞こえる鳥のこえ。

 なんか平和だなぁという気分になります。


 季節が夏に移ると、これが朝から夕までセミの声に変わります。セミに……。




 

 


 

 


 

 

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