「燕は幸運の象徴、燕の来ない家はダメだべ〜。」

　という訳で、我が家は毎年ツバメ御一行様を歓迎しています。

　燕は、春先にやってきて元気に飛び回っていると、そのうち卵を抱きます。

　やがて

「ピーピー。」

　と雛が生まれると、小屋の中はとても賑やかに。

　たまに、うっかり巣から落ちた子をじいちゃんが救出したり、飛ぶ練習中の子が野良猫に襲われるなどの事件は起こるものの、いつの間のにか巣立って、長い燕尾の親ツバメと短い燕尾をちょこちょこさせた子ツバメが仲良く電線に止まっているようになります。

　そして、秋には高くなった空の下をクルクルお礼を言うように回って飛んで、南の国へ帰っていくのです。

　燕を大切にするのは、害虫を食べてくれる益鳥だから、という農村地帯ならではの考えかもしれません。

　しかし、野生動物である燕は危険な場所には巣を作らないそうです。

　安心して子育てができる場所、ここは安全だよって思ってもらえる家だというのも、なんだか嬉しかったりもします。

　フンなどを嫌がって、巣を落としてしまう方も少なくないですが、燕は幸運を運ぶ鳥。

　迷惑がらずに寄せてみれば、いい事があるかも知れません。

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