先生を振り向かせたい

@chocolateparfait

第1話

「あの、今日が初めてなんですが…」


中学に入学すると同時に、英会話教室に入会されられた。

県内にいくつも教室を展開していたので、名前は聞いたことがあった。


英語には興味がなかったし、まだまだ友達と遊んでいたかった私は、やる気がないままその教室に向かった。


いや、向かったと言うより、半ば強制的に連れてこられたのだ。

母親が「中学生になったら英語でつまづくんだからね!」と言って。


「こんにちはー、お名前教えてもらえますか?」


私がどんよりとした表情で入ってきたにも関わらず、受付の女性がにっこりと笑った。


内藤栞ないとうしおりです。」


「内藤さんね、お待ちしてました。

6時からレッスンよね?教室に案内するわ」


受付のお姉さんに連れられ、教室に入ると

すでに数名の生徒がいた。


私より歳はバラバラだが、みんな小中学生のようだ。


「お、新入生?」


後ろから声が聞こえた。


「そうなの、今日が初めてのレッスンの内藤さん。内藤さん、こちらが担当する先生よ」


やけに若い講師だった。

髪は茶髪でパーマがかかっている。

服装はスーツではなくシャツにセーターだった。見上げるほど背が高かった。


それが、私と先生の出会い。

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