どうやらオレは天才らしい。

第1話

学校に向かうこの坂道は広々としており、両側から桜が枝を伸ばしている。

膨らんだ蕾は何かの予感を感じさせてくれ、ワクワクしてくる。

自分の背にはダンジョン産の剣がかけられている。

ダンジョン産の剣といっても高級品ではなく、一番安い成長剣だ。

成長剣はその名の通り成長する剣で最初はスライムでも切るのに苦労するほど弱いが、使用者と同等の経験値を獲得し徐々に強くなっていく剣だ。

成長すれば属性やスキルなど獲得していき、倒した魔物の種類、数によって特性が変わって来るユニークな武器だ。

しかし最初が弱くなかなか魔物が倒せないため、使用者はあまりいない。

もっといい剣を欲しいと思ったことがあるが、裕福な家庭ではないので諦めた。