ハリボテ

@kaku412

第1話

僕はあの「人類の害」と呼ばれるものの中身を知ってる。


都心から車で2時間ほどかかる田舎の研究所で行われていた実験が失敗して、研究所が爆発した。

その爆発の影響で研究途中の危険な液体がばら撒かれた。近隣の森に住んでいる熊や鹿などの野生生物はその液体が危険なものとも知らず舐めたときに変化は起きた。

獣達が巨大化したのだ。

その姿は元の原型を思い出せないぐらい酷いぐらい巨大化し酷烈になっていた。

その新しい野生生物達は生殖器がなく、他の仲間の体液を飲めば、個体関係なしにすぐに子が出来て、約1週間後には産まれる。そんなチートに近い能力を持つもの達はすぐに「人類の敵」と定められて、政府が新たな対策機関、「日の守隊」立ち上げた。

日の守隊は今日も人々を獣から守っているはずだ。




僕は今年から高校2年生になる。

去年の夏にお母さんが交通事故で死んしまった。

父さんはお母さんが自営業をしていたときに作った借金返すために、朝から晩まで働いている。お父さんはいつもボロボロの状態で帰ってくる。しかし、僕にはお父さんを労う心はない。

僕は友達と呼べる人は同じ部活の人ぐらいしかいないけど、日々充実した生活を送っている。

「よぉー元気だったか?」

「いや、全然」

「お前は、もやしにより近づいたな」

「余計なお世話だ」

部室の隅で黄昏ていたら数少ない友達の1人である智樹が部室に満身創痍の状態でやってきた。智樹はサッカー部との掛け持ちでこの部活に入っている。クラスの皆んなから信頼されていて、こっちが困るほど良い奴だ。

智樹のイジリに冷たい返事をしながら、部活の内容を考えていた。うちの部活は「論争部」と言って、各自が異なった話題を持ち込んで、みんなで話し合い一つの結論にまとめるという活動だ。二つ上の先輩が考えた部活で智樹に誘われて入った。意外なことにきちんと部活して動いており、きちんと顧問の先生いる普通の部活として成り立っている。

部員は、僕と智樹と先輩が1人と後輩に1人いるが先輩は受験勉強で後輩は完全な幽霊部員で来てないため、実質今は智樹との2人だけとなる。

「今日の話題、どする?」

「えーとじゃ、日の守隊はどう?」

「あ、良いね!」

今日の話題を決めて、僕らは部活を始めた。智樹は日の守隊が対人害用であるの武器の話を興奮しながら話してた。

一方僕は、スマホで日の守隊のネタを探してた。すると、興味深い記事を見つけた。

『日の守隊と人類の敵との攻防はヤラセ!?』と言うなんとも嘘らしい記事だった。すぐ他の記事を読み始め、ネタを探す。


しかし、僕は心の何処でさっきの怪しい記事に対する好奇心が少しずつ募っていった。





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