元日本代表、現:亜人サッカー協会暫定会長スズキの受難
原多岐人
プロローグ
20XX年12月某日、サッカー総合情報サイト『FC魂』試合結果速報より。
「御殿場が伊豆に勝利、ダービー制覇&D2昇格」
JPリーグD3第33節
サイヒル御殿場FC 2-1 伊豆クロコダイル
(○日・御プロスタ)
御殿場は伊豆をホーム最終戦で迎え、2-1で勝利する。試合開始から一進一退の攻防の中、37分に伊豆のMF関野忠則がシュートを放ち、一度はGK高橋将に弾かれるもFWヘンリー・ゲインが押し込んで先制点を上げる。そのまま伊豆がリードを保って前半終了。
56分に御殿場のMF福原遼太郎が伊豆DF
上垣外雄一と接触し負傷。御殿場は福原に代わりMF鈴木泰仁をピッチに送り出す。元日本代表の鈴木は攻撃の組み立てに奔走するが、決定機には繋がらず。
86分、鈴木は御殿場のディフェンスラインにドリブル突破をはかるゲインをあわやというところで体を張って阻止。このファウルにより鈴木にイエローカードが提示される。すでに1枚イエローカードを提示されていた鈴木は累積警告で退場したが、伊豆FW東秋斗の直接FKを高橋が防ぎ危機を脱する。御殿場は高橋のゴールキックから前線にパスを繋ぎ、持ち前のスピードを発揮したFW敦賀光輝が同点ゴールを上げる。その後、敦賀は伊豆のバックパスのミスに素早く反応、追加点を計上。
この試合で御殿場は首位に立ち、来季はD2
に昇格となる。退場となった鈴木は今季限りで現役を引退。ラストマッチは少々残念な試合内容だが、試合後のセレモニーでは「最後までチームの役に立とうと必死でプレーしました。ここまで支えてくれたチームメイト、スタッフ、サポーターの皆様には感謝しかありません」と清々しい表情で挨拶をしていた。
チーム発足から20年という節目に、初昇格を果たした御殿場のD2での活躍を期待したい。
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