お茶うけにこんなハーフ＆ハーフはいかが？

黒須友香

　僕は人生の分かれ道に立っていた。

　右に曲がれば会社への道、左に曲がれば彼女の自宅。

「ねぇ、関川くん、ここでハッキリさせて。あたしと仕事、どっちが大事なの？」

　また無茶な二択を……答えはどっちも大事に決まってる。

　ちなみに真ん中にあるのは塀、行き止まりだ。

　時として女性は残酷な二択を突きつけてくる。

「もちろんきみに決まってるさ、でもね……」

「でも、はナシ。よく考えて答えてよね、返答次第じゃあたしにも考えがあるから」

　僕が働くのはキミのためでもあるんだよ、という答えは門前払いらしい。

　彼女は腕組みして僕の答えを待っている。

　二の腕を指先でトントンしながら待っている。

「さぁ、関川くん。仕事とあたし、どっちを選ぶの？」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい