略奪愛5
陶芸教室の当日、太田さんはアカリちゃんと腕を組んで現れた。
「おはようございます、太田さん。もう誰が見てもカップルですね。」
「そうですか。」
太田さんは満更でもない様子だった。
「太田さん、本来の目的忘れないでくださいね。あなたのターゲットは誰ですか?」
「部下の奥さんです。」
「そうです。忘れてなくてよかったです。じゃあ、行きましょうか。」
俺は太田さん偽カップルとヒカルを連れて、部下夫婦が通っている陶芸教室へと向かった。
「今日から新しい生徒さんが加わります。皆さん、新しい生徒さんに色々と教えてあげてください。」
陶芸教室の先生が生徒の皆さんに俺たちを紹介してくれた。
俺たちは、部下夫婦が座っているテーブルと同じテーブルへ通された。すると、部下夫婦が太田さんに気付いた。
「あれ、太田さんじゃないですか。」
「おぉ、松村じゃないか。まさか同じ陶芸教室に通うなんて意外だな。
あ、奥さんこんにちは。奥さんと一緒に陶芸通っているなんて相変わらずの仲良しっぷりだな。」
松村妻は軽く会釈した。
「いや、太田さんだって彼女と陶芸来てるじゃないですか。」
「彼女がどうしても陶芸やってみたいって言うから。」
「えー、トオル君だって昨日から凄い楽しみにしてたじゃん。」
「彼女さんと仲良いんですね。」
部下の奥さんも会話に入って来た。そのまま四人で談笑している様子を見た俺は、『ここまでは順調だな』とヒカルと目配せした。
そのまま陶芸教室はスタートし、非常に
「あの、すみません。ここどうやったらうまく行きますか?」
俺は部下夫婦に話しかけた。
「あぁ、ここ難しいですよね。」
部下の松村さんは初対面の俺にも優しく対応してくれた。
「ありがとうございます。えっと、お名前は?」
「あぁ、私は松村と申します。」
「松村さん、ありがとうございます。奥さんと一緒に陶芸なんて素敵ですよね。」
俺は、ヒカルに話しかけた。
「え?あぁ、そうですね。私もこういったことをやってくれる人が恋人や旦那さんに欲しいです。」
「きっと、行きたいって言ったら大抵の男性は来てくれますよ。うちのトオル君だって来てくれてますし。」
アカリちゃんがさり気なく会話に入ってきてくれた。
すると、
「うちのユウキも、最初は渋ってたんですけど、私が行きたい行きたいってワガママ言ったら来てくれましたよ。」
と、部下の奥さんも会話に入ってきた。
そのまま女子トークが始まったので、俺たちは男子トークをしながら陶芸教室を楽しんだ。
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