文房具

@wataka

大きな手

高2の平凡な女子高生。

そんなわたしには密かな楽しみがある。

それは、数学の先生の授業。



先生は28歳。独身。A型。

好きなものはビールとツーリング。

それしか知らない。


気づいたときにはいつも目で追ってる自分がいる。親友のあさこから、彼氏作りなよと言われるけど、わたしは先生を目で追うだけで十分。


先生は大人の男の人。同級生や先輩を意識できないでいる。。

このまま彼氏もできずに青春が終わっちゃうのかなあ、、なんて

それもあり!


無理して彼氏作っても

後々面倒だし。


ある日職員室に用事で行ったときに先生のデスクをふと見ると、ブルーのシャーペン。

あ、いつも使ってるやつだ


なんだかそのシャーペンが忘れられず、気付いたら学校帰りに文房具屋にいた。

先生が使っているシャーペンと同じものを手に取る。買っちゃった。


先生が持つと小さく感じるシャーペンも、わたしが持つとすこし大きく感じた。

先生の手って大きいんだ!

当たり前だけど改めてそれを感じて

ドキドキした。


帰って宿題をするときも、そのシャーペンを使うと先生のこと考えてしまって、ふとしたときにドキドキが止まらない。


これって恋なのかな。。

先生に憧れてるだけなのかな?


答えの出ない問題に宿題どころではない。

明日先生に会うのが恥ずかしいような

嬉しいような、、、


密かなドキドキは終わらない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

文房具 @wataka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ