入学後のオリエンテーションは、生存をかけた殺し合いでした。

異世界、クラス転移、そしてデスゲームとくれば、級友たちと血で血を洗う修羅場に発展するのがお約束だ。
ところが本作はクラス対抗型のサバイバルゲームである。
敵対するのは自分たちと同じように神様に連れてこられた別の世界、別の惑星で生きてきた十五歳の学生たち。
毎回与えられるミッションをクラスメイトたちと協力して乗り越え、最後まで勝ち抜けなければ元の世界には帰れない。
チートはもらえない。ルール解説役の魔法生命体は聞かれたことしか教えない、悪魔のような存在だ。
一人でこの局面を乗り切るにはあまりに荷が重すぎる。

もちろん迫りくる死を前にしてクラスを纏め上げるのは容易いことではない。
俺ァおまえが仕切るのは気に食わねえとばかりに噛みつく連中はどこにでもいるものだ。
彼らは短慮ゆえに無謀な行動をし早々に物語から退場する。
――ただし莫大な負債を残して。

タイトルにはデスゲームとあるが、この作品のキモは危機的状況下に置かれた面々が手を取り合って困難に立ち向かう部分にある。
互いに詰り合うギスギスした学級裁判のような雰囲気というよりも、部活動や文化祭で協力して学校生活を盛り上げるような青春的な要素が強い。
苦難を通して成長していく主人公たちの姿はとても魅力的だ。きっと貴方にも、読んでいるうちに気に入るキャラクターが見つかると思う。