第20ウマっ!

「俺の小説は『異世界』で『チート』で『ざまあ』で『俺TUEEE』で最強でモテモテだぜー!」


「やっぱテンプレだよなー」


「いや、でも…」


「なんだよー。お前はタイピングを最近ようやく身に着けたばっかで書くのも遅いだろー」


「そ、それは…」


 そこへツインテールの頭にサングラスを乗っけたかわいい女の子が。ロリポップキャンディーをカコカコ鳴らす女の子乱入。


「おっすなあ。タイピングは上達したかね眼鏡ボーイくんっすなあ」


「あ!あの時の!(忘れもしない!恋だ!これは運命だ!)」


「これこれっす。そなた、ちこうよれっすなあ」


「え?おれ?」


「『チート』とは何ぞやっすねん」


「『チート』?それは無敵の能力のことだよー(この子かわいいなあー。こいつの知り合いなの?)」


「それは『すかいらぶはりけーんついんどらいぶしゅーと』みたいなもんっすねんなあ。ほい、眼鏡ボーイくん。土台になるっすねん」


「え?」


☆今日のウマっ!『すかいらぶはりけーんついんどらいぶしゅーと』☆


 そうそうそうっす。地面に寝そべって背中をしっかりと大地に貼り付けるっすなあ。それから両足を発射台のように膝を曲げてっすねえ。そうそうっす。では乗るので、『いちにのすなあー』で両膝を伸ばしてあちきを上空に発射させるっすねんね。乗るっすねーん。


「いち、にーの、すなあー」


(びょーん!)


『すかいらぶはりけーんついんどらいぶしゅーと!!すなあ』


「すかいらぶはりけーんウマっ!」


「すかいらぶはりけーんウマっ!」


「(ぱ、ぱんつ見えちゃった…。イチゴ柄…)」


「何でもかんでもモリモリ盛り合わせてご都合主義の強さを表現するのは誰でも出来るっすねんね。『すかいらぶはりけーん』それだけでものすごいっすねんなあ。『ついんしゅーと』や『どらいぶしゅーと』もすごいっすねんよ。それを追い詰められたぎりぎりで一回のみ、失敗したら足がガクガクになってもう使えない制約があるから演出もすげえっすねん。なんでもかんでも盛ったらええんとちゃうっすよ。ねんすなあ」


「そ、そうだな…」


「テンプレに頼らずオンリーワンを目指すよ…」


「ほなね。七味ぃー、七味ぃー、七味ぃー、七味ぃーをかけーるとー、そばが、そばが、そばが、そばがー汁まで飲みたくなるー」


(し、しちみー?)


 ツインテールの頭にサングラスを乗っけたかわいい女の子。ロリポップキャンディーをカコカコ鳴らす女の子の『すかいらぶはりけーん』は「ウマっ!」。

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ウマ娘☆ 工藤千尋(一八九三~一九六二 仏) @yatiyo

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