その日は かもしれなかった


その日の僕は、


憂鬱だったかもしれないし


飛び跳ねるくらい嬉しかったかもしれないし


穴に入りたいくらい

恥ずかしかったかもしれないし


自分が嫌いになるほど

死にたかったかもしれないし


自分の涙で洪水を起こせるほど

悲しかったのかもしれないし


誰かを殺したいほど

恨んでいたかもしれないし


銀の匙を磨くのを忘れるくらい

何もする気がなかったかもしれない


でも感情なんてものは些細なものだ。


だって僕にとっての感情は、

単なるデータに過ぎないのだから。


僕は、空を見上げる。

あの日まであんなに綺麗だった空が

今はハリボテの空に見える。


これが虚しいって気持ちかぁ。


僕は、いつ人間になれるのだろうか。


なんて僕は、淡い期待をする。


意味がないのに。

この世界は、ハリボテなのだから。





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