桜とタンポポ
桜は、タンポポを嫉妬をする。
ずるいなと桜はつぶやく。
タンポポはいう
ずるい?君の方がずるいじゃないか
僕なんか今日レジャーシートで
潰されて死にかけたんだぞ。
桜はいう
でも僕は、ここから離れないんだ。
でも君は、違うだろ?
風に吹かれればどこでも飛んでいける。
タンポポはいう
そんな良いものじゃないよ。
君と違って春の代名詞でもないし、
花の代表格でもない。
しかも、僕を囲って花見なんて、
酔狂なことをする奴なんていないからね。
桜はいう
花見だって春のほんの一瞬だけさ
それを過ぎれば、
誰も僕のことなんて見向きもしない。
でも君は、どの季節でも目を向けられる
僕はそう思うけどな。
タンポポはいう
確かにそうかもね。
でもそれは、
アスファルトに咲いたやつの特権なんだよ。
しかも雨が降っている日限定と来た。
そんな確率が
小さいものに憧れてもしょうがないだろ?
桜はいう
でも君は、人を救っているじゃないか?
タンポポはいう
それは君も同じだろ?
桜はいう
でも、僕は死なんてものにも
結びつけられる。
タンポポはいう
それ以上に
救ってきたんだから良いんじゃないか?
桜はいう
でも僕は、
君よりも嫉妬している奴がいるんだ。
タンポポはいう
ははは、多分僕も一緒だよ。
今度は潰されないと良いな。
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