十五日目の午前 クラスの人気者にクラスを追い出された。
混沌の様子を極める閉鎖空間。
隣には腕から抱きつく美少女。
逃げ場は――ない。
「お、落ち着けって...話せばわかる、な?」
「駒鳥...」「よくも舞鶴さんを...」「爆発しろ...」
余計にヒートアップさせたらしい。詰んだ。
こうなったら他力本願だ。白華に助けを乞うしかない。
「しら...舞鶴さん?助けてくれる?」
「いつもの通り呼んでくれないと反応しませんよーだ」
どうやらうちの姫様はご機嫌斜めのご様子。全く先が読めない心理である。
「白華、頼む...」
「はい、任されました!...とりあえず、朱兎くんは一旦教室から出てってください。終わったら呼びますので。どういうことなのか気になる皆さんはこちらに。」
そう言うと突如腕の拘束が解かれ、そのまま廊下に突き出されてしまった。
このまま廊下にいるのもばつが悪い。しかしこの状況下行くあてなどないため、誰も来ない屋上階への階段にでも居座ろうと思う。
白華の話が終わるまでいくらかかるのだろうか。暇で仕方がない。
机のバリケードをかいくぐり目的の場所へと到着した。ここには他に誰もいない。
以前は一人の時はよくここを利用したものだ。
過去の事を思い出しながら、感傷に浸る。
「教室には行きたくないなぁ...」
一人ごとは誰にも届かない。
返事なぞ帰ってくるはずもなく、退屈で虚空を見つめていると、徐々に眠気が体を覆う。
そして間もないうちに意識は彼方へと飛ばされてしまった。
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