第4話 迷い人の戯言

 別にさ…悲劇の主人公を気取ってるつもりはないんだよ。


 ピエロを気取ってる気もないんだよ。


 世界で一番不幸だと言うつもりはないんだよ。




 ただ…今更…気づいた事がある。


 今更だから…気がついた事がある。




 持つべきものにすれば全ていい訳だ。


 持つべきものにすれば全てが戯言だ。




 別に否定はしない。


 いつだって正しいのは君だ。


 いつだってオカシイのは僕だ。




 僕にはその言葉は聞こえない。


 君には僕の言葉は届かない。




 僕は、君の言う事が実行できない。


 君には、僕のすることが理解できない。




 人は簡単に変われやしない。


 出来損ないは死ぬまで出来損ない。




 見えるようで見えない…僕と君。


 同じ場所に居るようで…相違している世界。




 世界と共存する君と。


 世界に拒絶される僕。




 頑張れる理由がわからない。


 頑張る理由がわからない。


 だからそこに努力は産まれない。


 そんな僕に価値は産まれない。




 いったい何のためにそこに居る。


 いったいどこに向かえばいい。




 知っている。


 聞いたところで僕は理解しない。


 向かった所で僕は辿り着けない。




 僕は迷い続ける。きっと永遠に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る