第3話 意味の無い戯言

 何故媚びる…


 何故笑う…


 何故愛されようとする…?




 無駄。


 全部、無駄。




 なのに、そうする。


 なのに、そうされたいと思う。




 何故?




 僕は捻くれている。


 だから、それらを理解しない。


 理解すれば、自分が惨めになるのを知っているから。




 人間という生き物は、自分より立場の弱いものを見つけ、


 その人間の悪い部分だけを評価し、自分を上方評価することでしか、


 自分の価値観を評価できない、そんな生き物だと思っている。




 そうやって、だれかを生贄にして生きて行く。


 捻くれている。淀んでいる。


 知っている。


 僕自身、そう思うことでしかこの世界を評価できない。


 そんな世界での自分の存在を評価できない。




 知っている。


 そんな自分に誰も媚びない。


 誰も笑いかけない。


 誰も愛してくれない。




 こんな世界が嫌い。


 こんな世界が悪い。


 こんな世界が醜い。


 こんな世界と共存できない。


 こんな世界に媚びたくない。


 こんな世界で笑いたくない。


 こんな世界を愛したくない。




 …知っている。


 世界を自分を入れ替えるだけ。


 知っている。


 この先、何も変わりなんかしない。




 こんな世界…壊れればいい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る