第26話

はぁ.

予想以上にきつい…

思った時に思った事を話せないという…

接近禁止令,すげぇ.


だいたい…

昼だって…

もう手打ち野球でいいって言ってんのに…

ハヤトが,サッカーがしたいんだよぉぉぉって言い始めて…

サッカー部探して,

ボールは管理下だから手続きがって言われて…

何もしないまま,昼休みが終わったんだよぉぉおぉ.


あぁ,

サクラにお礼を言って帰らねぇと.


「サクラ~.

なぁ,おい.サクラって.」

サクラが振り向いた.


「何か色々ありがとな.」

声をかけると,

「付き合える!?」

と言われた…


ふぁ!?

いや,…ん?

何?


よく分からないまま,

サクラが俺の手を持って走り始める…


「ちょ…

待て!

おい!

サクラ!?」


物凄い勢いで廊下に出て,

連れてかれる.

マスクしたまま,この勢いで走ると苦しい.

酸欠と運動不足がたたってる.


渡り廊下を抜けて,音楽室まで連れていかれた.


前かがみで膝に手を当てて肩で息をする.

一体,何だよ.


「部活,手伝ってほしくて.

吹奏楽.」

サクラが言う.


「いや,無理.

だって,お前知ってるでしょ.

俺とハヤトとルーとカックンと.

卓球同好会だったんだよ.

その後,ゲーム同好会になってたじゃん.

楽器とか,ほんと無理だよ.」


「まだ,やってもないのに無理とか言わないで!」

サクラが言う.


んな無茶な…


「出来ねぇって.

悪いけど.」


音楽室出ようとしたら,

向こうから見た事がある顔…


「タピ子!!!


同じ学校だったんだ.

中学でバイトしてたの!?

だめじゃん.」

タピオカ店の店員がいた.


向こうも

「わざわざコーヒーくん!!!」

って指さした…


なんだ,それ…

そんな陰のあだ名だったのか…

確かに,ルカからも言われてたけど.


サクラが,

「先生よ.」

って言った…


「先生?

泉田先生じゃなかった?

音楽.」


「急な体調不良で.

臨時の先生が来られていて,

吹奏楽の顧問もしてくれてるの.」

サクラが言った.


「先生,麻木ユウくんです.

パーカッションを手伝って貰おうと思っています.」

サクラが言う.


「いや,俺手伝うって一言も…

言って…ねぇですけど…」


凄い顔でサクラが見てるけども…


出来ねぇって…

何,この状況…

完璧はめられた構図じゃん…


9/14修正

名前間違った汗



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