第15話

リョウがビニールの中から,お手拭き取って渡してくれた.

手と口拭いて,マスク着用する.


「食べてる間,2人コロッケ注文して買ってった.

回収率は悪くないんじゃない?」

リョウが笑った.


ゴミを回収して,リュックに入れた.

ルカがゴミ飛ばして,ルカとハヤトと俺で追いかけ回して回収した事があったので,

ゴミは早々リュックに入れる事にしてる.

時々,家で捨て忘れて気が付いた時には異臭を放ってるのが玉に瑕.


「やっぱり人出が少ないね.

僕たちも目立つから,うち来る?」


え…

あんまり深く考えていなかった.

う~ん,リョウから誘われて,俺の用事しか済ませてないから,

このまま帰るわとも言えないし…


「じゃあ…お邪魔しよっかな.」


「ついてきて.ユウくん自転車は?どこ置いてきた?

僕は歩き.そんなに家まで遠くない.」


「あっ…ユウでいいよ.俺もリョウって呼んでるし.」


「今一緒にいるのは,僕だよ.リョウ.」


「だから,ごめんって.」

と言うとリョウは笑ってた.


「自転車は駅前の駐輪場にとめてきた.

あまり遠くなかったら一緒に歩いて行くよ.」

2人で歩き出した.


「リョウは,家で眼鏡なの?」


「あぁ初めて見た?だいたい併用する人が多いんじゃないかなぁ.

やっぱ眼鏡の方が楽っちゃ楽よ.

ただ,体育の時とか,コンタクトの方が動きやすい.

元々,運動そんなに得意じゃないけどね~.」


「塾は近いの?」


「ん~歩いて10分位かな.近いっちゃ近い.

たださ,荷物がとにかく重いのよ.

テキストとか,もう登山家さん?ってくらい大荷物持って移動.」


「大変だね.」


「慣れたけどね.」

とリョウは言ってた.


「ついた.ここ.ここの12階.」


へ~綺麗なマンション.


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