スピリチュアルな出会い2
※「スピリチュアルな出会い1」の続編としているので、そちらを参照していただけるとより楽しめると思います。
相変わらずマッチングアプリを使っていた僕ですが、また危険な人と出会ったので、紹介しようと思います。
マッチングアプリでめでたくマッチし、カフェでランチすることにしました。
プロフィール上では心理学を勉強していたらしく、信用できそうでした。
実際に会った時「プロフィール写真ちょっと盛ってない?」という感想があったのですが、胸の内に留めておきました。
近くのカフェでランチをしていたところ、色んな事が分かってきました。
彼女は心理学を勉強しています。
さすがにスピリチュアル系の話は出てこないはず。
と思っていた僕の期待を平気で裏切ってきました。
まず、タロット占いをしてるそうです。
この時点で僕からの信用はがた落ちです。
僕が占いが嫌いな理由は2つあります。
1つは、占いで決めるより自分で行動して決めた方が早いし得だからです。
例えば「彼女とどこにデートに行けばよいか」という問題に対してでも、占いで場所を決めるよりも直接「どこに行きたい?」と聞いた方が確実なわけですよ。
また、無事にデートを終えたとして「占いの通りだから間違いなく成功した!」と思えるでしょうか?
答えは恐らくNOでしょう。
占いを元に行動したとしても、自分の意志で行動したとしても「今日のデートで相手は満足しただろうか?」と不安になると思います。
「俺は完璧だから間違わないぜ!」という人は、それはそれで危険ですが。
どちらの決め方でも、結局は不安になるわけです。
むしろ自分で決めた方が結果が良かった時の喜びは大きいと思います。
「よかった、自分の選択は間違ってなかったんだ」と。
占いに頼ると「やっぱり占いは当たってたんだ」とはなりますが、やっぱり自分に自信はつかないと思います。
不安を避けたい欲求から占いを頼るのでしょうが、不安自体悪い物ではありません。
不安だからこそ相手のことをよく知ろうとします。
自分で決めることができない人や、不安から目をそらす人が占いに走るわけです。
僕はこのような人たちが苦手です。
それを認めるのは、僕が現実と向き合って努力してきたことを否定するのと同じです。
2つめは、嘘を広めるからです。
以前「生まれた時に星の位置と引力が関係するので、誕生日から性格が分かる」という人がいましたが、根拠なしです。
スポーツ選手は4月生まれ率が高い、という統計はありますが、それは子供の頃の自信からくるものなので、星の位置は全く関係ありません。
血液型占いも一時期流行りましたが、あれも嘘です。
性格が当たっているのはバーナム効果(*1)によるものだったり、血液型の分類方法はABO式、Rh式など10種類以上ある中でなぜABO式を選んだのかという疑問があったりします。
海外では自分の血液型を知らない人は多いですし、自分の血液型を知らなくてもちゃんと医療は受けられます。
未だに信じている人もいますが、そんな嘘を覚えるくらいだったら英単語を一つ覚えた方が得です。
このように、占いにはまる人は合理的な考えができないことが多いです。
合理的な考えができないということは、僕とは会話が噛み合わないことが多いでしょう。
以上から、僕は占いと、占いにはまる人が苦手です。
話題にする程度なら問題ないのですが、本気で信じている人とは距離を置きたくなります。
話を戻しますが、試しにタロット占いをしてもらいました。
「タロットとか科学的根拠ないし意味ないですよ」という言葉を飲み込んだ僕は成長したな―と思います。
以前の僕なら言葉に出していたと思いますが、闇雲に論破するのは不利だと、かろうじて学習していました。
結果は覚えていないですが、いい結果ではなかった覚えがあります。
ここも便利な点で、まずタロットはカード1枚1枚に意味はあるのですが、具体的な意味は悩みの内容に依存し、占い師の解釈にも依存するそうです。
つまりタロットは結果が変わるので、あまり信用できません。
また、占い師側はいい結果を隠し、悪い結果だけを説明することで相手を不安にすることができます。
いい結果も教えてくれよ、と。
話を聞くと、どうやらそのタロットを教えている師匠なる人物がいるそうで、その人物からタロットカードを買っているそうです。
なにやらゲロ以下のにおいがプンプンしていますが、面白そうなので敢えて乗ります。
そしてなんと、その師匠と会う約束をしてくれました。
デジャヴ。
前回と違うのは、弟子は会計をちゃんと割り勘でしてくれたところです。
「弟子はこんなだけど師匠はまともだろうな」と思いながら会計を済ませます。
しかし、その予想も簡単に裏切られることになるとはまだ知るよしもありませんでした。
後日、師匠と対面で話すことになりました。
師匠はメンタルを本人の望んだ方向に持っていく「コーチング」という資格を持っているそうです。
僕はまず嘘をつきました。
「みんなと協力できるようになりたい」と。
いや、「協力できるようになりたい」と考えてはいたのですが、本心は「やっぱり性格は変えなくていい」と思っていたので、結果的に嘘になりました。
当時の僕は、会社の人間関係に悩んでいました。
会社で案件がとれるかどうかという所でトラブルが起き、課長にお叱りを受けたからです。
自分ははっきり物を言う性格だったので、それが原因だと考えていました。
そこで、「自分はこのはっきり言う性格を直した方がいい」という思いと、「これは個性だからこのままでいい」という思いがぶつかっていたのです。
今はこの性格は個性だと思っているので前向きにとらえていますが、当時はそういった思いが混ざりあっていました。
そういう経緯で発言したのが「みんなと協力できるようになりたい」です。
しかし、発言したのはいいものの、自分の中である違和感が起きていました。
「本当にそう思っているのか?」と。
実はこれは間違いだと気付きました。
みんなと協力することと、はっきり物を言うことは無関係なのです。
言い方に気を付ける必要はありますが、はっきり物を言いつつ協力することは可能です。
このとき、やっと「自分はこのままでいい」と思えました。
会社でのトラブルも「他の人が僕を受け入れないのが悪い」という気さえ起きました。
しかし、「みんなと協力できるようになりたい」という発言を取り消すわけにもいかず、このまま通すことにしました。
ここで師匠が話し始めます。
詳しい発言は覚えていないのですが、概要はこうです。
まず、性格を変えるには、自分とは別の誰かが見ている必要があるそうです。
野球のコーチが選手に野球を教えるように、コーチがメンタルの状態を客観的に観察し、どのような状態なのかを本人に伝える、というわけです。
ここで師匠は、自分一人では性格は変えられないので、他人との協力が必要、ということを強く言っていた印象があります。
しかし、僕は本を読んで性格を変える、と答えました。
コーチの主観が入るので、統計的に優位な方法を本などで調べて、その方法で試した方が性格が変わる確率が高いと思ったからです。
もちろん参考にならない本もありますが、使えるかどうかの判断力は持っているつもりです。
ここで師匠はこう反論します。
「どうして一人でしようとするの?」「他の人に協力してもらった方がいい」と。
ここで師匠に違和感を感じました。
やたら他人と協力することを勧めるなあ、と。
僕は今まで、できるだけ一人で問題を解決するように育ってきました。
もちろん病気になった時はお医者さんに頼ったり、食料を調達するのにスーパーが必要だったりと、他人無くしては自分は生きられないということは承知の上です。
その上で、自分でできることはできるだけ自分でしたい、という主義です。
コーチングは本人の性格に一番合ったやり方で臨むのがよいと思うのですが、自分で頑張る主義の僕に対し、他人と協力することをやたらと勧めてきたわけです。
それでは僕の話を聞かず、自分のやり方を押し付けているようにしか見えません。
本当にコーチングのトレーナーかと疑いました。
他人の性格は変えられない、ということは既に学習しています。
自分の性格を変えるには、自分が変わるしかありません。
本で性格が変わっても問題ないはずです。
なぜ他の人が見る必要があるのか疑問でした。
ここでも僕は衝突してしまい、この場を去ることにしました。
この経験から、前回の「類は友を呼ぶ」という仮説が確信に変わっていきます。
確かに、会社や学校のように人間関係を選べない環境ではないので、自然と似ている人と過ごす、ということは納得できます。
また、知能レベルが同じでなければ会話は成り立ちません。
このことから、「類は友を呼ぶ」と言えそうです。
*1 バーナム効果
誰にでも当てはまる事柄を自分にあてはまる、と錯覚することです。
実際にあった実験を例に挙げると、被験者の性格を調査した後、星座占いの文章を組み合わせたものを性格分析の結果として渡し、当たっているかどうかを5段階評価(当たっているほど点数は高い)してもらったところ、平均4.26で、当たっていると答えた人が多かったです。
実際に性格を調査したわけではなく、でたらめな占いの結果でも「当たった」となるわけです。
よって、ほとんどの占いが思い込みによるものということが分かります。
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